日米両政府が、北朝鮮や中国、ロシアが開発を進める極超音速兵器に対処するため、新型の迎撃ミサイルを共同開発する方針を固めたことが分かった。
8月18日に米ワシントン郊外で予定する日米首脳会談で合意するよう調整している。
複数の政府関係者が8月14日、明らかにした。
迎撃困難とされる極超音速兵器に対する抑止力強化を図る。
日米とは別に8月18日開催する日米韓3力国首脳会談では、人工知能(AI)やサイバーセキュリティー、エネルギーなど非軍事分野の連携拡大を確認する方向だ。
日米の迎撃ミサイル開発は、改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」以来、2例目。
極超音速兵器は、マッハ5(音速の5倍)以上の超音速で飛行するため、レーダー探知や迎撃が難しい。
戦いの在り方を一変させる可能性がある次世代兵器と位置付けられており、各国で研究が進んでいる。
日米が共同開発するのは、極超音速兵器が遠方を滑空している段階で迎撃するミサイル。
防衛省は、航空機対処を主目的とする陸上自衛隊の「03式中距離地対空誘導弾」(中SAM)の改良や、海上自衛隊の新型イージス艦「まや」などへの迎撃ミサイル「SM6」搭載で対処する方針だったが。
いずれも着弾直前の対応になるのが課題だった。
極超音速兵器は、迎撃を避けるため着弾直前に複雑な軌道を取る一方で、滑空段階では動きを比較的捉えやすい。
政府は二段構えの迎撃体制を構築して、対処の確実性を高めたい意向だ。
米国は既に、イージス艦から発射し、滑空段階で迎撃するミサイルの開発に着手している。
新型ミサイルの開発は、米国が進めている計画と連動する可能性もある。
浜田靖一防衛相とオースティン米国防長官は今年6月の会談で極超音速兵器に対応するための技術協力の推進で合意していた。
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