財務省は10月11日、新型コロナウイルス患者の対応に当たった全国1290の病院の経営状況を分析した結果、2020年度の平均収支が2019年度比で約6億4千万円改善していたと発表した。
受診控えなどによる減収分を上回る額の補助金が投入され、利益が増えた。
ある国立病院では受け入れ患者1人当たりの補助金が5916万円だったことも明らかにした。
同日開かれた財政制度等審議会の分科会に提出した。
記者会見した分科会の増田会長代理は「命を守ることにつながったのか、経路を追っていく必要がある」と指摘。
今夏の感染爆発時も病床の改逼迫は改善しておらず、費用対効果の検証を進めるべきだとした。
政府は病床を確保した医療機関に対し、1床につき最大1950万円を補助するなど支援を拡充。
感染拡大時のコロナ患者の受け入れ拡大につながると期待した。
これら支援を受けた1290病院の2019年度の平均収益は98億5千万円で、医師や看護師の人件費といった費用を差し引いた利益は2千万円だった。
2020年度は収益が減って本業では赤字となる一方で補助金収入を10億1千万円計上したため、利益は6億6千万円に増えた。
政府の新型コロナ対策分科会会長の尾身茂氏が理事長を務める地域医療機能推進機構や国立病院、国立大学病院についても同様の分析を行った結果、平均で3億~6億円の収支改善を確認した。
岸田首相は「医療体制の確保」を掲げて経済対策の策定を指示したが、医療提供体制の拡充につながる実効性ある施策が求められる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます