新型コロナウイルス感染症治療に絡み、海外の製薬大手2社がロから飲む新薬候補の最終段階の臨床試験 (治験)を日本で始めたことが7月5日、分かった。
コロナの特効薬がない中、症状が出始めた段階で自宅でも服用して重症化を防ぐ経口薬として実用化を目指している。
いずれもウイルスの増殖を防ぐ抗ウイルス薬で、米メルクが開発中の「モルヌピラビル」とスイスのロシュが手掛ける「AT-527」。
国内外の大人数の患者を対象とした国際共同治験として行われている。
メルク子会社のMSDによると、モルヌピラビルの治験ではコロナと診断された18歳以上で、発熱やせきなどの初期症状があるが入院には至っていない患者に1日2回、5日間投与して、偽薬を投与した患者と比較する。
今年9~10月には最終的なデータが得られる見込み。
白沢代表取締役上級副社長は「自宅で服用可能な経口の治療薬として初期の患者への貢献が期待できる」として、早期の承認申請を目指す。
ロシュの候補薬はもともとC型肝炎治療のために見いだされた化合物だが薬事承認はされていない。
軽症から中等症の患者が対象で、提携する中外製薬が日本での手続きを担っている。
いずれも国内治験の規模は明らかにしていない。
新型コロナ治療薬を巡っては、ワクチンを開発した米ファイザーも別の経ロ抗ウイルス薬候補の初期段階治験を海外で行っている。
また、中外製薬は6月末、抗体医薬「カシリビマブ」と「イムデビマブ」を組み合わせた「抗体カクテル療法」を厚生労働省に承認申請した。
軽症や中等症が対象で、点滴で投与するため、医療機関での使用が中心となる。
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