厚生労働省の専門部会は5月24日、富士フイルム富山化学が開発した新型インフルエンザ薬「アビガン」を、マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」にも使えるようにすることを了承した。
近く厚労省が正式に承認する。
SFTS治療薬は世界初。
塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの従来株に対応するワクチン「コブゴーズ」と、仏製薬大手サノフィが開発した腸チフスワクチンの製造販売の承認も了承した。
腸チフスワクチンとしては国内初。
アビガンは2014年に承認された。
SFTSに対する臨床試験(治験)では、致死率の低下が確認された。
ウイルスの増殖を抑える効果があるが、胎児に奇形を引き起こす恐れがある。SFTSの治療薬として使う際は、原則として患者の発生が確認された後に医療機関に納入し、研修を受けた医師が処方するなど、管理を徹底する。
SFTSは発熱や嘔吐、筋肉痛などの症状が出て、致死率が10~30%と高い。
これまでは対症療法しかなかった。
主に、タカサゴキララマダニやフタトゲチマダニといったウイルスを保有するマダニに刺されて感染し、人から人への感染も報告されている。
国立感染症研究所によると、国内では2021年以降、毎年100人以上が発症。
今年は5月12日までに36人が報告された。
コブゴーズは、組み換えタンパクワクチンと呼ばれる技術を使う。
現在流行していない従来株に対応するため、一般流通しない見通し。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます