仕事が終わり、ごはんを食べ損ねて、地元に戻ってきてしまった。地元には立ち飲みはないし、気軽に飲める酒場などない。
さぁ、困った。ちょい飲みできるとこないかなと考えながら、自転車に乗っていると、吉野家を思い出した。王子神谷駅の地上出口のすぐ。しかし、余りにも地元すぎる。カップラーメンでも買って、家で飲もうかとも思ったが、それではつまらない。
意を決して行ってみた。
吉野家の前に不法に駐輪し、店に入った。久しぶりの吉飲みだ。
席につくと、店員が通常どおりの注文を取りにきた。
「吉飲みしたいんだけど」と言っても、ピンときていない。「酒のメニューください」と言って、ようやくメニューが来た。
メニューを見ると、ホッピーがなかった。そんなパターンもあるのか。さすが江戸の外。ここは、もう郊外店なのかもしれない。
仕方なく、「角ハイボール」(350円)を頼んだ。まさか、自分が洋酒を頼むなんて。
つまみは「牛皿」の並(330円)。
出てきた姿が哀れだった。思いっきり乱れていて、とにかくだらしない「牛皿」だった。そこで、思わず気分が萎えた。
普通に「牛丼」食べればよかった。
5分起きに、客が入店してくる。多分、地下鉄から降りた人がふらふらと立ち寄っているのだろう。あぁ、知り合いに会ったら、ちょっとばつが悪い。できれば、地元の「吉野家」で、挨拶するのは、避けたい。
ボクは2杯目の「ハイボール」を飲み干して、店を出た。
「ハイボール」もこんなにチープだったっけ?なんか3口くらいで飲み干しちゃうような。
なんともまぁ、お粗末な感じの「吉飲み」だったのである。
哀愁漂いすぎ。
今度、いつ王子神谷に来られるかしら?
山田屋か、また別の酒場にご案内いたします。