年末恒例の蟹作戦が無事に終わり、安心したところでもう一杯ひっかけて帰るか。目ぼしいところはある。ひと月前に通りかかった発見した店だ。
立ち食い寿司の店。
近年、魚介の店が並ぶ通りがにわかに立ち飲みストリートと化したが、今はまた更に店が増えた。この立ち飲みストリートはもはや「たきおか」を中心とする立ち飲みエリアを凌駕しつつある。何しろ、この通りの立ち飲みは魚屋経営の店だから、ネタには困らないし、しかもうまい。店舗自体は雑な作りだが、そんなのはもう全く気にならない。
その立ち飲みストリートにある立ち鮨が、「アメ横次郎」。
なんかどこかで聞いたことあるな。
店内は満員で、自分は屋外エリアにポジショニング。〆に握りをつまむから、ここはもう日本酒でスタートし、いきなり飛ばすか。
お酒は日本酒一合瓶がオール500円という布陣。ほぅ「雪の茅舎」があるのか。まずはそこからいくか。つまみは「三点盛り」。これをオーダーシートに書き込んで、店員さんに提出する。
「三点盛り」の内容はマグロの赤身にハマチ、そしてサーモン。
サーモンはちょっと勘弁してほしかった。嫌いじゃないが、好んで食べない。鮨で最も注文しないネタ。そもそもサーモンていう呼び方が嫌だ。鮭だろシャケ。何故、生魚になった瞬間かなサーモンになるのか。しかし、まぁ仕方ない。ありがたく頂かなければ。
すると、隣に男性が来て、忙しなくオーダーシートに記入して、店員を呼んだ。
「王さん、王さん」。
常連らしい。彼が頼んだものは「ハイボール」だった。
さて、「雪の茅舎」も空いて、もう一本いくかなと思っているところに、「熱燗」を頼む人がいた。そうだった。今日はかなり寒い。熱いのでキューっといきたい。
王さんに熱燗に出来る酒はどれかと聞いたら、「分からない」と言われた。じゃ、やなんでもいいから、熱燗で」というと、お店オリジナルラベルが貼られたPBの酒が出てきた。
隣の男はスマホで動画を見ながら、煙草を吸い始めた。随分と乱暴な客だった。そして女性の店員を呼ぶ度に、「王さん、王さん」と連呼した。
さて、〆に握りでもいただくか。鮨は一貫100円から。マグロの赤身を2貫とイカをオーダーシートに記入した。
しばらくすると、店主らしき人が屋外エリアに出てきた。お店オリジナル酒のラベルに描かれた男性は店主だったのだ。この店主がまた面白い人だった。自分の隣に立つ常連と話して、「いつも『ハイボール』しか頼まないよね」とちょっといじった。鮨にはやっぱり日本酒だろとでも言いたいようだった。
握りのネタは良かった。ネタの大きさもシャリのかたさよ。さすが、アメ横次郎。いつかバイデンが来日したら、是非おもてなしをしてほしい。
煙草の煙があちこちから漂い始めたから、そろそろ店じまいでもしようかな。
ところで、このちょっと乱暴な常連さんは、世間的にはやはりジロリアンで呼ばれたりしているのかな。
良い店の様だね~。
ご存じでしたか。
ただ、文中にも喫煙のことを書いているとおり、怪鳥は誘えないなと思っていました。
屋外エリアで自分を含め5人の客がいましたが、そのうち2人が喫煙者でした。
正直、自分ももうたばこの煙は吸いたくないし、我慢もしたくないんだけれどね。