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居酒屋さすらい 0642 - ダブリンに思いを馳せて - 「新宿ばーる」(新宿区西新宿)

2013-05-13 14:21:55 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋
ダブリンに着いたら、まず真っ先に誰に手紙を書こうか。
長い旅の末に辿りついたダブリンで、ボクはバックパックを背負ったまま、オコンネル通りにたたずむバルに入ることだろう。フットボールの話しをする連中たちの間に入って、極上のギネスを1パイント頼むだろう。
そのビロードのように美しいギネスを眺めながら、神に感謝するだろう。宝石のような尊い飲み物を目の前にして。
まるでギネスを飲むことが長い旅の目的であったかのように。
その日が雨に煙った冬でないことを祈りたい。初めての町が雨の日であることはもうたくさんだ。
上海、バンコク、カトマンズ、そしてバラナシ。冷たい雨はどうしても心も深く沈んでしまう。そんな雨の日にギネスなど飲みたくない。

ダブリンにあるバルがどんな雰囲気の店なのかは全く想像もつかない。きっと、この新宿とは全く異なっていて、この「新宿ばーる」のように小ぎれいではなかろう。埃っぽいカウンターはもう何百杯ものギネスを吸い、口角泡を飛ばすスコティッシュの唾とフットボールの神様にそっぽを向かれた男たちの涙を吸い取ってきただろう。
或いは、フィッシュ&チップスの脂がカウンターの木をきれいなツヤに仕立てたかもしれない。

アイリッシュ海で捕れた魚を揚げた「フィッシュ&チップス」を頼み、手でつまみながらギネスを底なしのように飲むだろう。
ほろ酔い加減になったわたしは、ザックからエアログラムを取り出し、手紙を書き始めるだろう。

願わくば、この「新宿ばーる」のような雰囲気で静かに手紙を書きたい。
ほとばしるような情熱の文章を。
「新宿ばーる」の「フィッシュ&チップス」のように。
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