北区が誇る、立ち飲みの名店といわれる「いこい」。
先代のおやじさんから今の若旦那に代がわりをさせた店舗については、以前も小欄で伝えた通りである。
居酒屋さすらい 0648 - 拝啓 若旦那殿 - 「立飲み いこい」(北区赤羽南)
上記の記事のブログにコメントを寄せていただいた方から、支店の存在を知ったのである。
本店より徒歩2分、南に行ったところに、支店があり、おやじさんは今、そこにいるらしい。
水曜日の昼間、自転車を飛ばして行ってみた。
ビルの1階。
「いこい」は確かに、そこにあった。
しかし、ここでひとつの疑問が浮かぶ。
何故、おやじさんは再び店を出したのだろうか。若旦那に代がわりをして引退したんじゃないのか。
それとも、若旦那の行状を見て、「これは任せておけない」とでも思ったのだろうか。
コメントを寄せていただいた方はこのように書いている。
「昔の常連はみな支店にうつってしまっているんです。改装後の本店に行くのはよほどの物好きだと地元の私でも思いますよ」
なるほど。
これでは、若旦那の客を奪い返しているように見える。
なんだか、深い訳がありそうだ。
ともあれ、店に入ってみると、だがしかし、そこにオヤジはいなかった。
かつては、白い壁に質素な店構えだったはずが、今は木の温もりさえ感じられる店に。
平日の昼間なのに、店は盛況。カウンターにボクは陣取った。
瓶ビールは410円。おぉ、少し高くなったな。かつては390円の瓶ビールに110円の煮込みというワンコインプライスを実現していたが、ビールは20円も高くなった。消費税も引き上げられたし。これは仕方ない。
だが、つまみの豊富さは、相変わらずだ。
「マカロニサラダ」110円、「おひたし」110円。「かぼちゃの煮付け」150円。「めんたいしらたき」150円。
いいよ!やっぱ、いこい。
これだよ。これこれ。
揚げ物や焼き物が全盛の居酒屋にあって、煮物や和え物で勝負する、この姿勢。いいよ~。
「煮込み」の味。若干薄味の味噌と醤油仕立て。変わんねぇな。
瓶ビールを飲み干し「ホッピー 白」に。つまみは「里いもの煮付け」(150円)。
酔っていくうちに、いつしか隣のおじさんと話しをするようになった。埼玉から赤羽に用事があったから来たというおじさん。今はもう隠居生活になったと言って、「気楽だよ」と笑う。
隠居生活なのに、昼間から酒を飲んでいたら、お嫁さんとかに怒られはしないのだろうか。
ボクはそこで余計な心配をしてしまう。ともあれ、定年後に昼酒出来るのは幸せなことである。
知らない人と友達になれる店は、間違いなくいい店だ。それは店の雰囲気が後押しするのだから。
その雰囲気を「いこい 支店」は持ち合わせている。
いっぱい飲んで、たくさん食べても1,000円余りの会計。まさにセンベロキング。
「支店」が「本店」を食ってしまう例としては上野の「大統領」がある。やっぱり、名店の誉れ高い店だ。
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