ここは新千歳空港。
旅行者の大半が最後ここに集う。北海道の山海の珍味に舌鼓を打った人も、慌ただしい出張で、北海道を堪能できなかった人も、泣いても笑っても新千歳空港が最後のチャンスである。
もし、山海の珍味とビールに不満足だったら、迷わず「きたみなと」の暖簾をくぐられることをお勧めする。
ここが北海道の出口にある北海道最後の居酒屋だ。
うにとイクラ、そしてホタテそれぞれの丼。いやいや「よくばり丼」というなんでもありの海鮮丼まである。
「サーモンのハラス焼き」(720円)に「じゃがバター」(410円)。
とにかく、お金を出せばなんでもありそうだ。これなら思う存分北海道の食べ納めを心置きなくできるのである。
だが、それよりもなによりも感動したのは、新千歳の地ビール「ピリカワッカ」の樽生が飲める点だ。しかもヴァイツェン(650円)。
サッポロクラシックのピルスナーに食傷気味の人にとって、爽やかなバイスビールは本当においしい。
14年ほど前、初めて北海道を訪れた当時、わたしは地ビール巡りをライフワークとしていた。北海道で出かけた地ビールのブルワリーは小樽のフィッシャーマンズハーバーと千歳のピリカワッカ。前者はもはやないが、ピリカワッカが未だ健在であることに、ひとまず胸をなでおろす。
地ビールはひとときブームを巻き起こすものの、その後停滞期を迎え、多くのマイクロブルワリーが姿を消した。今はクラフトビールと呼称を変え、再びブームを巻き起こしている。
東京にアンテナショップをオープンさせる動きが多い中、ピリカワッカのように地元でしか飲めない希少性がわたしは好きだ。
「ピリカワッカ」に「よくばり丼」を頼み、かなり悦に入っているわたしであるが、北海道を後にしなければならないという一抹の寂しさを感じずにはいられない。
今度いつ、北海道に来られるのだろうか。
そんな思いを噛みしめながら、北海道最後の食事にがっつくのである。
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