2月9日、鶯谷にて立ち飲みラリー再開。
しかし、「牛角」の前を通り過ぎた際、焼肉の欲求に負け、ひとり「塩ダレカルビ」を頬張る。
その後連休は山口県で英気を養い、2月12日、再び鶯谷駅南口「ささのや」さんから立ち飲みラリーは再開された。
鶯谷名物、ラブホ街を行く。
しかし、すげぇ。ホテトル嬢を乗せたクルマがあちらこちらに。おもむろに止まったクルマから出てきた女のけばいことけばいこと。そして、きわめつけが狭い小路に立ち尽くす立ちんボたち。ジッと息を潜めて通り過ぎるわたしを窺っている。
わたしも妙に緊張しながら、ピンクや赤の電飾が滲む薄暗い小道を通りすぎる。
ラブホ街を通りすぎると、急に人気がなくなった。
東京とは何とも変わり身の早い街なのだろう。
とにかく北西の方角へ。日暮里駅はそう遠くない。
その間、立ち飲み屋はないか、とにかく小さな小路も含めて出鱈目に、そしてジグザグに歩いていく。
すると、少しずつ通りが賑やかになってきた。どうやら、日暮里駅は近いようだ。
実は、日暮里駅の立ち飲み屋について、わたしは楽観的な考えを持っていた。日暮里駅周辺が下町のけっこう猥雑なイメージがあるからである。
だが、実際に立ち飲み屋を捜すとなると難航を極めた。まさか、谷中霊園の方にはないだろう。と、するとターゲットは駅の東側だ。とにかく、わたしは一本一本小さな道から大通りに至るまで、おおよそ東日暮里の真ん中くらいまで立ち飲み屋を求めて歩いてみたのだ。
古臭い中華料理屋はかなり見つけることができた。或いは、ひっそりと営業する昔ながらの居酒屋も幾つかあった。だが、立ち飲み屋はない。あとは、建設中の舎人線の新駅裏くらいか。実は、取引先であるS栄印刷のMさんから耳寄りな情報を聞いていた。
「舎人線の駅が着工するまで、あの一体は汚い飲み屋がいっぱいあった」と。
それならば、まだ幾らかそんな名残もあるのではないか、という期待である。
だが、またしても予想に反して、今年開業予定の新都市交通の新駅周辺はものの見事に再開発されていたのである。
こりゃ、だめか。と諦めかけたそのとき、なんともまた酒屋さんらしい灯りが目の前50m先に現れたのである。
わたしは、咄嗟にある光景が走馬灯のように甦ってきた。それは、居酒屋放浪記NO.0075、奇跡の「三国屋」である。
しかし、都合のいいことはそんなに簡単に起こらない。角打ちの酒屋なんて、そんなにあるものでもない。だが、わたしはある確信めいたものがあった。あの酒屋には、立ち飲みのコーナーがある、と。その考えには全く根拠があるわけでもないのだが、本当にこのとき、わたしは強く確信していたのである。
果たして、その店に近づき、店の前に飾られてある立て看板に「立ち飲み」と書かれているのを発見した際、わたしの運の強さに何か見えない巨大な力が働いているのではないかと、少し空恐ろしさすら感じて身震いしてしまったほどだ。
店に入ると正面は小売の店舗になっていた。店番をするお姉さんにしどろもどろで「立ち飲みは奥ですか」と聞きくと、店奥の立ち飲みコーナーに案内された。
8畳間ほどのスペースにテーブルが2つ。あとは店主の構えるコーナーが一角に。酒のメニューは白板に手書きで書かれている。その時々に合わせた酒が立ち飲みに卸されているようだ。
まずは、瓶ビールから。
さすがは、小売店。ビールは何でも揃っている。わたしは、キリン一番絞りを頼む。
大瓶350円。これって、ほぼ小売価格ではないか。
店には3人のおじさんが既に日本酒を片手に談笑。
角打ちの立ち飲み屋って、必ずどこにでもいそうなおじさんが3人くらいいるんだよなぁ。
何でだろ?
つまみには揚ピーパック(100円)。いわゆる「ピーせん」だ。
とりあえず、瓶ビールはテレビを見ながら黙って飲んだ。おじさんたちの話しが聞こえ漏れてくる。どうやら、旧知の仲らしい。
さて、瓶ビールをやっつけて、少しずつ調子が出てきた。
次は芋焼酎に触手を伸ばす。「本芋」(原口酒造)のロック。
店主の中村さんは奥の倉庫に行って一升瓶を取りに行く。
中村さんは歳の頃、おおよそ45歳くらい。髭を蓄えた優しそうな方だ。
何となく、弾みで聞いてしまった。「中村さんは何代目ですか?」と。
すると、「三代目!ここは仮店舗。本当は舎人線の駅のとこにあってね」という。
しかし、タイガースファン。立ち飲みコーナーにはトラッキーの置物や、その他猛虎グッズが飾られている。三代続く日暮里の酒屋に虎キチはそうなのか?
ちなみに、もうひとつ聞いてみた。
「この辺りに立ち飲み屋って他にないんですか?」
中村さん、少し考えて。
「昔は3軒くらい、この辺りにあったんだけれどね。今は、荒川区役所のところに一軒かな」
荒川区役所?土地勘がないから全然分からない。
「剥製屋の斜め向かい。あそこは入りづらいね」。
などと教えてくれた。
地元の酒屋さんの話しだから間違いないだろう。
本芋のロックが香ばしくて意外とおいしい。つまみに「ひとくちのり天」(110円)にしてもう一杯お代わりした。
この店は、仮店舗から本来の場所に戻っても、まだ立ち飲みコーナーを続けていくのだろうか。
再開発が進む街の中にまた溶け込んでいけるのだろうか。
敢えて、その質問は中村さんにはしなかった。
中村さんの顔を見ていると、この先もずっと立ち飲みを続けていくような気がしたからだ。
お酒と人がこのうえなく好きなんだろう。多分この人は。
しかし、「牛角」の前を通り過ぎた際、焼肉の欲求に負け、ひとり「塩ダレカルビ」を頬張る。
その後連休は山口県で英気を養い、2月12日、再び鶯谷駅南口「ささのや」さんから立ち飲みラリーは再開された。
鶯谷名物、ラブホ街を行く。
しかし、すげぇ。ホテトル嬢を乗せたクルマがあちらこちらに。おもむろに止まったクルマから出てきた女のけばいことけばいこと。そして、きわめつけが狭い小路に立ち尽くす立ちんボたち。ジッと息を潜めて通り過ぎるわたしを窺っている。
わたしも妙に緊張しながら、ピンクや赤の電飾が滲む薄暗い小道を通りすぎる。
ラブホ街を通りすぎると、急に人気がなくなった。
東京とは何とも変わり身の早い街なのだろう。
とにかく北西の方角へ。日暮里駅はそう遠くない。
その間、立ち飲み屋はないか、とにかく小さな小路も含めて出鱈目に、そしてジグザグに歩いていく。
すると、少しずつ通りが賑やかになってきた。どうやら、日暮里駅は近いようだ。
実は、日暮里駅の立ち飲み屋について、わたしは楽観的な考えを持っていた。日暮里駅周辺が下町のけっこう猥雑なイメージがあるからである。
だが、実際に立ち飲み屋を捜すとなると難航を極めた。まさか、谷中霊園の方にはないだろう。と、するとターゲットは駅の東側だ。とにかく、わたしは一本一本小さな道から大通りに至るまで、おおよそ東日暮里の真ん中くらいまで立ち飲み屋を求めて歩いてみたのだ。
古臭い中華料理屋はかなり見つけることができた。或いは、ひっそりと営業する昔ながらの居酒屋も幾つかあった。だが、立ち飲み屋はない。あとは、建設中の舎人線の新駅裏くらいか。実は、取引先であるS栄印刷のMさんから耳寄りな情報を聞いていた。
「舎人線の駅が着工するまで、あの一体は汚い飲み屋がいっぱいあった」と。
それならば、まだ幾らかそんな名残もあるのではないか、という期待である。
だが、またしても予想に反して、今年開業予定の新都市交通の新駅周辺はものの見事に再開発されていたのである。
こりゃ、だめか。と諦めかけたそのとき、なんともまた酒屋さんらしい灯りが目の前50m先に現れたのである。
わたしは、咄嗟にある光景が走馬灯のように甦ってきた。それは、居酒屋放浪記NO.0075、奇跡の「三国屋」である。
しかし、都合のいいことはそんなに簡単に起こらない。角打ちの酒屋なんて、そんなにあるものでもない。だが、わたしはある確信めいたものがあった。あの酒屋には、立ち飲みのコーナーがある、と。その考えには全く根拠があるわけでもないのだが、本当にこのとき、わたしは強く確信していたのである。
果たして、その店に近づき、店の前に飾られてある立て看板に「立ち飲み」と書かれているのを発見した際、わたしの運の強さに何か見えない巨大な力が働いているのではないかと、少し空恐ろしさすら感じて身震いしてしまったほどだ。
店に入ると正面は小売の店舗になっていた。店番をするお姉さんにしどろもどろで「立ち飲みは奥ですか」と聞きくと、店奥の立ち飲みコーナーに案内された。
8畳間ほどのスペースにテーブルが2つ。あとは店主の構えるコーナーが一角に。酒のメニューは白板に手書きで書かれている。その時々に合わせた酒が立ち飲みに卸されているようだ。
まずは、瓶ビールから。
さすがは、小売店。ビールは何でも揃っている。わたしは、キリン一番絞りを頼む。
大瓶350円。これって、ほぼ小売価格ではないか。
店には3人のおじさんが既に日本酒を片手に談笑。
角打ちの立ち飲み屋って、必ずどこにでもいそうなおじさんが3人くらいいるんだよなぁ。
何でだろ?
つまみには揚ピーパック(100円)。いわゆる「ピーせん」だ。
とりあえず、瓶ビールはテレビを見ながら黙って飲んだ。おじさんたちの話しが聞こえ漏れてくる。どうやら、旧知の仲らしい。
さて、瓶ビールをやっつけて、少しずつ調子が出てきた。
次は芋焼酎に触手を伸ばす。「本芋」(原口酒造)のロック。
店主の中村さんは奥の倉庫に行って一升瓶を取りに行く。
中村さんは歳の頃、おおよそ45歳くらい。髭を蓄えた優しそうな方だ。
何となく、弾みで聞いてしまった。「中村さんは何代目ですか?」と。
すると、「三代目!ここは仮店舗。本当は舎人線の駅のとこにあってね」という。
しかし、タイガースファン。立ち飲みコーナーにはトラッキーの置物や、その他猛虎グッズが飾られている。三代続く日暮里の酒屋に虎キチはそうなのか?
ちなみに、もうひとつ聞いてみた。
「この辺りに立ち飲み屋って他にないんですか?」
中村さん、少し考えて。
「昔は3軒くらい、この辺りにあったんだけれどね。今は、荒川区役所のところに一軒かな」
荒川区役所?土地勘がないから全然分からない。
「剥製屋の斜め向かい。あそこは入りづらいね」。
などと教えてくれた。
地元の酒屋さんの話しだから間違いないだろう。
本芋のロックが香ばしくて意外とおいしい。つまみに「ひとくちのり天」(110円)にしてもう一杯お代わりした。
この店は、仮店舗から本来の場所に戻っても、まだ立ち飲みコーナーを続けていくのだろうか。
再開発が進む街の中にまた溶け込んでいけるのだろうか。
敢えて、その質問は中村さんにはしなかった。
中村さんの顔を見ていると、この先もずっと立ち飲みを続けていくような気がしたからだ。
お酒と人がこのうえなく好きなんだろう。多分この人は。
自分の感覚だと、逆に新鮮に感じてしまいます。
おじさんたちが、どんな日本酒を飲んでいたか、気になる・・・
中村さんもいい人でお薦めしますよ。
タイガースファンで、更にアンチGで
あると・・・。
ただ、個人的には店主の趣味が思いっきり
出てる飲食店はあまり好きではなかったり
します。
ま、趣味のあう人にとっては楽しめる
空間なんでしょうが・・・。
ドラファンは喧嘩売りに入ったと思われても仕方ないかな。
しかし、カープファンが集う店には行きたくないな。
東京にも幾つかあるけれど。
浦安にある広島お好み焼き「じゅん平」はカープが勝った翌日、先着10名にキリン「じゃけん」がふるまわれるよ。
こういう特典あるお店なら大歓迎!
ちなみに当ブログNO.0098「ちきゅうや食堂」も虎ファンが集う店だとか。
どうですか?食べ物は?
豪華ホテルとのことで、贅を尽くした食べ物を食べているのではないでしょうか。
これで、少しは怪鳥も中国が好きになったのでは?
しかし、今本当にスゴイんだね。中国は。
これから又好いお店になっていくことでしょう先が楽しみです。2800
中村さん、気になっていたんですよ。
舎人ライナーが開通して、中村さんもまた移転されたんじゃいかな、って思っていたんですが、今現在まだこのブログの場所にいらっしゃるんですね。
そして、まだ角打ちを継続されるという力強いお言葉、いいですねぇ。
ティコティコさん、ありがとうございます。
今度、中村さんで、ご一緒しましょうよ。