マトゥラーでの4日間はあっと言う間に過ぎ去っていった。
ボクはこの間、街の名跡となっている遺跡ヴリンダーバンに行ったり、散歩の途中で知り合ったインド相撲の道場を訪れたりした。
ヴリンダーバンはマトゥラーから10km近く離れていたが、ターンガーと呼ばれる相乗りのトラックに乗ってボクは観光に出かけた。
見渡す限りの砂漠を抜けて、到着したのは、古代のお城。拝観料を払い、ボクはひと気のない城を散策した。
帰路もターンガーを使ったが、そこに乗りあわせた運転手が面白い男で、ボクはおしゃべりに花を咲かせて、マトゥラーに戻ってきた。
初めて、タバコを買ったのもこの地だった。
空港の免税店で買ったカートンのタバコが底をつき、道端の露天で商売をする店でタバコを買った。いくつかの銘柄があったが、ボクは店のおばさんから「どれが最も安いのか」と聞き、赤と黄色のパッケージの「GOLD FLAKE」というタバコが最も安いことを教えてもらった。
それはいくらかと聞くと、どれくらい欲しいのかと聞いてきた。
まとめ買いをすると安くなるかと思い、適当に「5」と答えると、8ルピーとおばさんは言った。ショートホープと同じ形状をしたそのタバコは恐らく10本入りであろう。それでも50本で8ルピーとは恐れ入る。
考えられない安さである。
「じゃ、それをください」と言うと、おばさんは1箱から5本を取りだし、ボクに差し出した。どうやら1本からのばら売りがポピュラーらしい。
それからというものの、ボクは露天でタバコを買うときは、「1パケット」か、ヒンドゥで言うところの1に相当する「エクパケット」と言うことにした。
結局、「GOLD FLAKE」は一箱13ルピーだった。
ターンガーを降りて、宿に戻る帰路、バスターミナルを見つけた。
ちょうど、バスが1台出発するところで、車掌が仕切りに「アーグラー、アーグラー」と大声で呼びかけている。そうか、アーグラー行きのバスが出ているのか。
ボクはインフォメーションに行って、タイムテーブルをもらうことにした。すると、アーグラー行きのバスは頻繁に出ているではないか。
運賃は40ルピーと格安である。所要時間は4時間。
やはり、ここまで来たら、あの白亜の霊廟、タージマハールは拝まなければならない。
そろそろ、このマトゥラーをたとうかな。そんなことを考えながら、宿に向かって歩いていると、昨日買ったばかりのサンダルが壊れた。
僅か20ルピーの代物は僅か1日であっけなくゴミとなった。それを見て、ボクはマトゥラーをたち、アーグラーへ向かうことを決めた。
宿に戻って、荷物をまとめた。すでに今日分の宿代は払ってしまったから、明日の朝に出発するとしよう。
バックパックに荷物を入れていると、便意に襲われた。
トイレに行くと、便が柔らかい。この夜は、その後数回トイレに行ったが、さして気にもしなかった。
お腹の調子が悪くなることは、これまで幾度となくあったからだ。
それよりも、いよいよアーグラーへ行けることの期待のほうが大きかった。
と、話し変わって当時の師はタバコ吸ってたよなあ。中国でドミにいたドイツ人だかに、灰皿に入った煙草の灰を窓の外に捨てられながら、「俺はお前のサービスマンじゃないんだよ。」的ないやらしい嫌味を言われてたのを思い出したよ。
でも、吸わない人間にとってはあの匂いは耐えられんのだよなあ。師も今はやめたからわかると思うけど。
ちなみに、俺は当時からタバコは吸ってなかったな。「葉っぱは吸うけどタバコはすいません。」ってネタで良く言ってたなあ。(苦笑)
序章かどうかはもう察しがつくだろう。
タバコね。
ヘビースモーカーだったよ。
そして、自分も今はもうタバコの煙が耐えられないよ。今も喫茶店でタバコの煙に吹き上げられてきて気分が悪い。
師の葉っぱは吸うのに、タバコは吸わないっていう感覚が今もやっぱり理解できないなぁ。
それに、やたら高額だし。国の思惑通り中毒になって、下手すりゃ一生税金で搾取されるというのも、腹立たしいじゃないか。
ま、酒もおんなじだけどね・・・。(苦笑)
俺は昔からそう思っていたぞ。
吸引方法が違うのね。
タバコの値上げ説が、また流れてるね。
個人的には、1000円以上になればいいと思ってる。
迷惑タバコが多いから、タバコは高額納税者のたしなみになればいいと思うよ。