路地を歩いていて、突然喫茶店が現れることがある。
「何故、こんなところに」。と思わざるをえない。
駅前の立地なら、待ち合わせで重宝されるが駅から遠く、商店街でもないところに喫茶店があるとボクは途端に店に入りたくなる。
神田のカレー巡りをしているときに見つけた店が「カリカリ」である。
駅から遠い。一番近い駅は銀座線の末広町か。それでも10分は歩くだろう。しかも、周囲に店が少ない。住宅地でもないが、「カリカリ」の立地はよくない。
太陽をかたどったマークに「カリカリ」というエキゾチックな店名。
喫茶店でもあるが、カレーとガレットの専門店でもある。
ボクが初めて入ったときはカレーに誘われて入った。
「スリランカカレー」。
南インドのカレーのようなものでが出てくると思っていたら、かなり日本風にアレンジされたカレー。ターメリックが効いたスパイスたっぷりのカレー。チキンとジャガイモがごろりと上品に添えられている。
おいしい。
感心したのは、コーヒー。ハンドドリップで丁寧に淹れられた爽やかな酸味のあるコーヒーにただただ落ち着く。
ボクは仕事が忙しくなると、昼休みにここへ来て静かに本を読んだりして過ごす。この店は騒々しくなく、気持ちが鎮まるのだ。
奥さまと旦那さまのお2人で営業されていて、お料理は旦那さま。お客には奥さまが対応してくれる。その奥さまが美人で、いつもその微笑に癒される。忙しさにささくれだった心はこのほほ笑みで整えられる。
2回目の訪問から「ガレット」をいただいている。
「カリカリコンプレット」はベーコンと卵黄、バジルをガレットが包んだ一品。これがクセになるおいしさだ。
旦那さまはもともと蕎麦づくりを目指していたが、同じそば粉で「ガレット」作りの道を選んだとか。
ちなみに「ガレット」は14時から。
きっとお昼は混んでいるのだろうけれど、この時間はお客はまばら。ボクにとっての最高の時間になる。
なお、お店の書棚には蕎麦の本と喫茶店の本、そして「山と渓谷社」から出版されているスパイス図鑑のような本が置かれていた。
旦那さまの方向性がよく分かる書棚である。
食後のコーヒーはいつも違うカップで出てくるのも楽しみのひとつ。
会社の近所にある喫茶店で誰か人を連れていきたくなる店は3店あるが、「カリカリ」はそのうちのひとつである。
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