駅蕎麦は今、受難の時代を迎えている。
駅の耐震工事に寄る閉店、サラリーマンのランチが多用化することによる売り上げ減、かつては駅ナカグルメの筆頭だったが、今やその地位も危うい。この「蕎麦屋さすらい」も今回が僅か18回目だが、すでに閉店した駅蕎麦は、この「名代 後楽そば」で2店舗目になった。そうした受難の時代の駅蕎麦も寡占化が進んだ。行く先々の駅で「いろり庵きらく」が新たなCIの基で店舗を構えている。
耐震工事が都内の駅で盛んに行われている。それに合わせて、駅もきれいになり、戦後を思わせるような風景が少なくなりつつある。有楽町のガード下は戦後を感じさせる風情が色濃く残っていた。しかしながら、新たな商業施設が出来て、街はどんどん変わってしまった。そして、とうとうあの有楽町の駅そば「後楽そば」も閉店したことを風の噂で聞いた。これで、「後楽そば」は歌舞伎町、田町に続き、全てなくなってしまった。
ボクはあまり詳しくなかったのだが、「後楽そば」はそばはそばでも、「焼きそば」に人気があったのだという。これも駅そばとしては変わり種といえるだろう。
有楽町に行く機会はそれほど多くなく、「後楽そば」も数回しか利用したことがない。けれど、いつも混んでいて、この店のファンは多いのだといつも感心していた。最後に食べたのが2016年2月。
「ざるそば」(430円)。
ざるにつけ汁を置くという独特のスタイル。
カウンターの皿に盛られているねぎは取り放題。つけ汁の鮮烈さはないが、かつおの出汁がほどよい薫りを楽しませてくれる。
ひっきりなしに現れる客。忙しなく食べざるを得ないけど、一杯のそばは癒される。
有楽町の乗降客のお腹を満たしてきた「後楽そば」。もはや、その系譜はこれまでかと思われていた今日この頃。どうやら、五反田で復活を果たしたという情報が流れてきた。今も脈々と続くそばの味。
有楽町で逢いましょう。
もとい、五反田で逢いましょう。
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