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居酒屋さすらい 0733 - コインと絵本とビール - 「ヱビスビール記念館」(渋谷区恵比寿)

2014-03-28 23:10:53 | 居酒屋さすらい ◆東京都内

金色の缶とは裏腹に、ヱビスビール記念館の調度類はシックだ。

ダークブラウンに統一され、白のアクセントがまた心地よい。

落ち着いてビールが飲める雰囲気である。

改装前の安っぽい食堂の雰囲気もよかったけれど、改装後の方がバーらしくて好きだ。

ゴールドに輝く、サーバーのタワーが一段と映える。

今回が、改装から2度目の訪問となった。

 

ヴェンダーでコインを2枚購入。

1枚をスタウトの「クリーミートップ」に、もう1枚はおつまみにあてる。

このおつまみ、気が利いてる。来る度にメニューが違うのだ。

今回は「チーズ」、「タコのマリネ」などが用意されている。そう、ビールメーカー快心のビールに合うアテである。

どちらもスタウトのビールに合いそうだが、ボクは熟考の末、後者をチョイスした。

 

テーブルについて、早速「クリーミートップ」をのどに流し込む。きめ細かい泡が滑らかに喉を通り、やがて漆黒のビロードが喉越しを軽快に滑っていく。

うまい。うますぎる。

今、ビールは空前の泡ブームだ。一番搾りがフローズンなら、ヱビスはクリーミーできた。

 

「タコのマリネ」も最高だ。あっさりしているから、スタウトのコクとぶつからない。もしチーズをチョイスしていたとしたならば、コクとコクのぶつかり合いで、しつこかったかもしれない。

席の後ろにある本棚から「星の王子さま」をとった。

そう、絵本が置いてあるのも、ボクがここを好きな理由のひとつ。その絵本のチョイスもセンスがいい。

 

大竹伸朗さんの「ジャリおじさん」を手に取ったのも、ここでビールを飲んでいたときだ。

難解な、ともすればナンセンスともいえる大竹伸朗ワールドを絵本の世界に展開した福音館書店の編集者も素晴らしく、「ジャリおじさん」が世に出たこともまさに奇跡であるとボクは思うのだ。

 

1杯目の「クリーミートップ」をほどなく飲み干し、2杯目は琥珀のヱビスに切り替えた。ボクはエールも好きなのだ。

上面発酵ならではの薄い味が、「タコマリネ」の酸味に反応している。そう、ついついぐびぐびとグラスを口から離せないのだ。

 

17時前のこの時間、ラウンジには女性ばかりが目立つ。ちょっと飲みに来た、そんな感じだ。

もし、ここが家から近所だったら、ボクは毎日顔を出しているかもしれない。

だって、本当にビールがおいしいんだから。

 

ボクはヱビスのピルスナーはあまり好みではない。

甘いのである。

ピルスナーなら「エーデルピルス」を飲むだろう。だが、スタウト、琥珀のヱビスは本当においしい。

あぁ、やみつきになってしまいそうだ。

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