金色の缶とは裏腹に、ヱビスビール記念館の調度類はシックだ。
ダークブラウンに統一され、白のアクセントがまた心地よい。
落ち着いてビールが飲める雰囲気である。
改装前の安っぽい食堂の雰囲気もよかったけれど、改装後の方がバーらしくて好きだ。
ゴールドに輝く、サーバーのタワーが一段と映える。
今回が、改装から2度目の訪問となった。
ヴェンダーでコインを2枚購入。
1枚をスタウトの「クリーミートップ」に、もう1枚はおつまみにあてる。
このおつまみ、気が利いてる。来る度にメニューが違うのだ。
今回は「チーズ」、「タコのマリネ」などが用意されている。そう、ビールメーカー快心のビールに合うアテである。
どちらもスタウトのビールに合いそうだが、ボクは熟考の末、後者をチョイスした。
テーブルについて、早速「クリーミートップ」をのどに流し込む。きめ細かい泡が滑らかに喉を通り、やがて漆黒のビロードが喉越しを軽快に滑っていく。
うまい。うますぎる。
今、ビールは空前の泡ブームだ。一番搾りがフローズンなら、ヱビスはクリーミーできた。
「タコのマリネ」も最高だ。あっさりしているから、スタウトのコクとぶつからない。もしチーズをチョイスしていたとしたならば、コクとコクのぶつかり合いで、しつこかったかもしれない。
席の後ろにある本棚から「星の王子さま」をとった。
そう、絵本が置いてあるのも、ボクがここを好きな理由のひとつ。その絵本のチョイスもセンスがいい。
大竹伸朗さんの「ジャリおじさん」を手に取ったのも、ここでビールを飲んでいたときだ。
難解な、ともすればナンセンスともいえる大竹伸朗ワールドを絵本の世界に展開した福音館書店の編集者も素晴らしく、「ジャリおじさん」が世に出たこともまさに奇跡であるとボクは思うのだ。
1杯目の「クリーミートップ」をほどなく飲み干し、2杯目は琥珀のヱビスに切り替えた。ボクはエールも好きなのだ。
上面発酵ならではの薄い味が、「タコマリネ」の酸味に反応している。そう、ついついぐびぐびとグラスを口から離せないのだ。
17時前のこの時間、ラウンジには女性ばかりが目立つ。ちょっと飲みに来た、そんな感じだ。
もし、ここが家から近所だったら、ボクは毎日顔を出しているかもしれない。
だって、本当にビールがおいしいんだから。
ボクはヱビスのピルスナーはあまり好みではない。
甘いのである。
ピルスナーなら「エーデルピルス」を飲むだろう。だが、スタウト、琥珀のヱビスは本当においしい。
あぁ、やみつきになってしまいそうだ。
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