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居酒屋さすらい 0692 - 憧れの蕎麦屋酒 - 「蕎麦いざか家 田衛門」(佐久市佐久平駅北)

2013-11-04 10:25:24 | 居酒屋さすらい ◆地方版
当然、飲み足りなかった。
何しろ、ビールと日本酒1杯だったのだから。
小奇麗なお店を出て、こ汚いお店を探すべく、駅の周辺を散策した。
だが、そんな伝統的なお店があろうはずもない。
新幹線の駅近に名店はないという格言もあるほどだ。

東京、名古屋、仙台といったビッグシティ以外は、既存の駅に新幹線の駅がなく、新たに駅をこしらえた。
つまり、市街地ではないところに駅を作ったのであって、この佐久平駅もそれに漏れない。
「八風」の住所が佐久平駅東、これから訪れる佐久平駅北という、半ばどうでもいいような住所がそれを表している。

しかしながら、駅の北側に来て、1軒の瀟洒なお蕎麦屋さんを見つけた際には、少し安心した気持ちになった。
「蕎麦いざか家 田衛門」というお店は、外観は格式があるように見える店だが、中はちょっとライトな店だった。
でも、雰囲気は「八風」に比べるととてつもなくいい。

まずは、日本酒「佐久の花」の吟醸(600円)。
当ブログで再三、申し上げてきたことだが、地酒は地元で飲む以外においしい飲み方はない。
その地域の風に触れ、その地域の人と一緒に飲み、その地域の水や空気が感じられる食べ物とともに飲むべきものだからである。

ともあれ、「佐久の花」の味の深さといったら。
本当にここに来て良かったと思える酒だった。
突き出しは「玉子豆腐」。
都会の居酒屋は突き出しがおざなりなもので、少々うざったいが、地方にいると突き出しがその居酒屋の顔といってもよく、本当においしい。

つまみに「鯉のあらい」を頼んだ。
「鯉の新井」と変換してしまう自分の頭の中は少々切ないきもちになる。
鯉を真っ当に出すお店は限られている。仕入れの問題もあるが、それよりも鯉そのものの鮮度の問題である。
「鯉のあらい」、本当においしかった。赤羽の「まるます家」の方がおいしいという注釈はつくが、本当に素晴らしい仕事をしていると思う。

ふと、壁にかけられた絵が気になった。
優しい少女の絵。
それは工藤静香さんが描いた絵。
淡い緑色の服を着た。
この絵が、このお店の印象そのものだ。

〆に盛りを頼んだ。
信州といえば、お蕎麦。
返しがいいのだろう。きりっとしていて、際立っていた。

昔から蕎麦屋で酒を飲むのが夢だった。
自分のような小僧が蕎麦屋で酒を飲むなんて、10年も20年も早いと感じていた。
蕎麦屋の酒は音楽で言えばジャズ、釣りでいえば、フライフィッシングのような、そんなアンタッチャブルの世界に感じた。
旧来のお蕎麦屋さんという雰囲気ではないが、蕎麦屋の酒は少し自分を新たな酒飲みの境地に連れていってくれたようだった。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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お疲れさん (みー)
2013-11-04 16:54:18
ようやく、ホントにようやく、スカッとした感じで〆ることができて良かったよ。
ここんとこのブログ、ドロ~ンとした感じだったもんね。

こんど小樽に来てくれたならば、蕎麦屋酒もやってみましょうや。
それで物足りなかったら、ホイスもホッピーwithキンミヤもあるしね。
返信する
Unknown (熊猫)
2013-11-04 18:35:01
みーさん、こんばんは。
ドロ~ンもこのブログの特徴ですよ。

そうですね。
次回の小樽も、そして次回の東京でもちょっとトライしてみましょうか。
それで物足りなかったら、こっちにはおでんもあるし。
返信する

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