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「いなば」のタイカレーが流行ってから、缶詰のカレーがちょっとしたブームになった。その缶詰業界ではサバ缶もかなりのムーブメントを起こした。この「サバカレー」は2つのいいとこ取りのような気がして、すぐに買ってしまった。
パッケージにインド人らしき男がデザインされているので、てっきりスパイスカレーだと思った。
確かに、スリランカのカレーに象徴されるように、南インドやベンガルでは魚のカレーは珍しくなかった。市場に行けば安く魚が買えたし、カレーにも魚や海老のカレーがメニューにあった。北インドがバターカレーならば、南インドは魚出汁でコクを出すスパイスカレーといえる。
だから、この缶詰を見た時、すぐさま買った。
だが、その期待は脆くも崩れ去った。
スパイスカレーではなかったのだ。魚出汁は予想どおりで、それは満足だが、南インドで食べた魚カレーとはちょっと違う。味わいが優しいのだ。これ、インドじゃないじゃん。
そもそもパッケージのインド人が怪しい。
インド人をイメージ化すると、大概ターバンを被る人がデザインされるが、インドにおいて人々はターバンなんかしていない。ターバンをしている人はシーク教の人で、インドの人口の1.7%に過ぎないのだ。近年、アフリカの偏見として、様々なデザイン画や漫画などが槍玉に上がるが、この「サバカレー」のパッケージも偏見に満ちている。しかも、デザインと製品が乖離しているのもおかしい。
「いえ、これはインド人ではありません」と言われてしまえば、それまでだが、ではこの絵は何なのか。
ただ、カレー自体はおいしかった。
日本において魚カレーは全くメジャーではない。だからかえって新鮮。とくに鯖のカレーってお店では食べられないでしょう。鯖の優しい味わいがカレーを全く違うものに変えてくれる。まさにコペルニクス的展開。あのインドカリー子さんも言っている。
「一番好きなカレーはサバカレーかも」と。
だからこそ惜しい。この缶詰のパッケージが。
いつか裁かれる日が来るのではないかと思っている。
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