行ってみたい酒場が岐阜にはあった。
「大衆酒場 ホームラン」。
昼間12時半からの開店という情報を得て、店に向かったが、店頭で店員さんが、何かの作業中。当然、店は開いていない。
20分ほどぶらぶらして、戻ってみても店はまだ準備中だった。すでに13時を過ぎ、いよいよ腹が減ってきた熊猫は、踵を返して違う店を探すことにした。
この住田町の界隈は居酒屋がやたらと多いのだが、昼間から開いているお店は多くない。一回りしてみると、開いているお店は、ハンバーガー屋さんと「焼肉酒場」のみ。けれど、後者の方はどうもランチ営業のようだ。
「居酒屋さすらい」的に、ランチ営業の酒場入店は禁じ手である。夜のメニューを見ずにして、その店の真実を知ることはない。しかもランチをする酒場の姿勢も好感が持てない。だが、店頭にある黒板の一文字が状況を一変させた。
「夜メニューやってます」。
よし、行くか。
時刻は13時半。
店に突撃。
真っ赤なシートが並び、お客はまばら。岐阜はもうランチの時間が過ぎたのだろうか。
その深紅の椅子に座って、生ビールを頼んだ。
サッポロ黒ラベル。
いいのかよ。平日13時半に。
いいんです!リトル熊猫の囁きを川平慈英ばりに叫び返答した。
そして、つまみは焼肉。七輪で焼く、自分焼肉。
まずはこの店の名物という、「ふじ焼き」(480円)。どうやら、豚のハラミらしい。
早速、七輪の網に落とすと、ジュワっと音とともにタレが滴り落ちる。そういえば、数年前に、この界隈の酒場で、岐阜名物の「けいちゃん」を食べたっけ。あれもうまかった。
豚のハラミだから、念入りに焼かねばいけなく、その間、何度も挫けそうになり、唾をビールで流しこんだ。ようやく、焼けたそれをかぶりつくと、じんわり油がしみだし、口の中で溶けていった。
抜群にうまい。
ボクはその瞬間、ご飯を頼んでいた。
焼肉を食べると、ご飯と酒、両方いけるのである。つまり、二刀流。こないだも、書いたばかり。朝霞の焼肉、「さんあい」で、肉、肉、ご飯、酒、肉みたいな。
何がうまいって。肉の素材もそうだけど、甘辛のタレが絶妙。だから、思わず、「ふじ焼き」をおかわりして、ついでにご飯も頼んだ。
ビール以外の飲み物が軟弱で、カクテルが中心なもんだから、どうしようか悩んだが、結局生ビールをおかわり。コリアンBBQなんだから、気取らないで麦焼酎を頼めばよかったんだけど、さすがに焼酎飲んだら、本気飲みになりそうだからやめた。
だって、これあくまでもランチビールだから。結局、2杯でやめたし。
でも、昼過ぎから飲んで、しかも焼肉がつまみだなんて、これ以上の罪悪感はないよ。
罪作りな奴だぜ。焼肉酒場。
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