東京メトロの代々木公園駅を降りて、代々木上原側の出口から地上に出ると、目の前にあるカレーの看板。2年くらい前にオープンした直後から、既に評価は高く、けれど早い時間に閉まってしまうため、なかなか行くことが叶わない。自分がこの駅を降りるのは決まって夕方だからだ。
「いつか行くぞ」と思いながら、はや2年。とうとうその日が来た。
12時10分。小雨そぼふるあいにくの天候というのに、5人のお客さんが並んでいる。うち2人はテイクアウト。店内利用は自分を入れて3人だ。並ぶ列に女性の店員さんがいて、並んでいるうちからオーダーを聞き、会計を済ませてから、店内に案内されるというオペレーション。
さて、自分は「ポークビンダル」に「チキン」のあいがけ。ご飯は300gをオーダー。これでお値段1,250円。ちなみにご飯はMAX400g。大盛りにしようと小盛りだろうと、ご飯の量で値段は変わらない。
「ポークビンダル」。インド、ムンバイのご当地カレー、「ポークビンダル」は最近、カレーの野心家がこぞってチャレンジしている。秋葉原界隈だと、「モチヅキカレー」の看板商品だ。
いよいよ、自分の番が来て、店内に通された。
カウンターだけの小さなお店。お店は3人の若者が切り盛りしている。外の女性を含めると4人もスタッフさんがいる。店内の面積からすると、多いようにも感じる。
だが、この若さ溢れる若者が実に意欲的に仕事をしていた。そういえば、最近蔵前のラーメン屋さん、「改」でも同じことを感じた。それは若者らの野心的なエネルギーであり、新しいものにチャレンジして、その業界の厚い岩盤に風穴を開けようという気構えに満ち満ちている。大きな器にどんと盛られた「ポークビンダル」はものすごい迫力だった。
「ポークビンダル」と「チキンカレー」のあいがけ。その仕切りのように、中央にご飯が盛られている。そのご飯にはひよこ豆とパクチー。迫力と美しさ。そして、渾身の一杯でもある。
一口食べると、もう自分の手は止まらなかった。ただただ、ご飯と煮汁をすくうマシーンと化した。途中、ダムの役割を果たしていたご飯が決壊し、「ポークビンダル」と「チキンカレー」が混じり合った。これが最近巷で流行っている、まぜまぜで楽しむカレーか。そう、混ぜることで、二度、いや三度おいしくなるのである。それはまるで化学反応のよう。
うまい。うますぎる。
このスパイスカレーは本物。絶妙な均衡でこしらえられたほんまモン。
また、食べたい。絶対。
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