「やまだ」を出て、しばらく西川口駅の東側を散策した。
「サウナカシオペヤ」の前を通り過ぎる。懐かしい。14年前、駆け出しの記者だった頃、某社の記者会見があるというので、会場のこのサウナに入り、到着するなり、BパブのM田さんから、「早くお風呂に入って」と促され、何も分からないまま、昼間の15時から湯に浸かった。「記者会見に来たのに、何故風呂に入るのだ」と狐につままれる思いだった。その記者会見を催したK川社長も今や鬼籍に入ってしまった。月日が経つのは早い。記者会見の後、ボクは泥酔し、身ぐるみを全てはがされた。
東口側にはもう立ち飲み屋はなさそうだった。ボクは駅を駆け上がり、西口へと向かった。
階段を降り、赤提灯の方角に進むと、公衆トイレがあった。ボクの身ぐるみをはいだ奴はボクの財布から現金とカードを抜き取り、他のものをこのトイレにぶちまけたそうだ。数ヶ月後、ボクの免許証などがこのトイレから発見されたのだ
そのトイレを通り過ぎ、小さな小道に入った。立ち飲み屋はすぐに見つかった。しかも2軒並んでいる。どちらも入りにくいまずは手前にある「かんづめや」という店に入った。赤いのれんのこじんまりとした店である。
缶詰を主なつまみとして出す店は衰退を辿っていたが、実は最近また増加傾向にある。
アキバのヨドバシ側、ガード下に缶詰しか出さない店が最近オープンしたし、ニュー新橋ビルの地下に出来た立ち飲み屋も缶詰がメインメニューである。缶詰は今や古くて新しい切り口である。だが、この西川口の「かんづめや」は古典的な立ち飲み屋であった。
カウンターの向こう側には缶詰が棚に納まっていたものの、カウンター上には、その日の料理が更に盛られて並んでいる。この店のおばちゃんの手料理だった。
生ビール(450円)を頼み、しばし店内を観察する。
「酔ったお客は入店禁止」
「お酒は1時間以内で」と書かれた注意書きが目に入る。
この手のルールは赤羽の立ち飲み屋に由来しているのだろうか。
ビールが運ばれてきたと同時に「焼きそば」を注文したが、売り切れだった。大皿に盛られた「煮物」をいただいた。
「煮物」は少し甘め。ママの好みがうかがえる。キャッシュオンデリ。お金のやりとりもコミュニケーションである。
お客は引退したご隠居の方が数名とサラリーマンが2名という布陣だった。
「焼きとりジロー」も「やまだ」も同じような顔ぶれであった。都心から城北に向かうにつれ、立ち飲みの客はホワイトカラーがどんどん減っていった。その代わり、ブルーカラーや定年した人の割合が増えた。客層が全く違うのである。
荒川を超えた今、その傾向は更に強くなっている。
ビールを飲み干し、「お茶ハイ」(300円)を頼んだ。つまみは「サバ缶」。サバの水煮である。
缶詰回帰の機運はもしかすると東日本大震災が契機だったのかもしれない。保存食として万能な缶詰が見直されるとともに、イナバのタイカレーといった新たなジャンルが登場し、缶詰は再び脚光を浴びだした。
「サバ缶」と「お茶ハイ」の組み合わせは抜群だった。骨も口の中でほろほろになる。やや甘辛い味付けとお茶の爽やかな風味が西川口の雰囲気といっしょに溶けていくように感じた。
「サウナカシオペヤ」の前を通り過ぎる。懐かしい。14年前、駆け出しの記者だった頃、某社の記者会見があるというので、会場のこのサウナに入り、到着するなり、BパブのM田さんから、「早くお風呂に入って」と促され、何も分からないまま、昼間の15時から湯に浸かった。「記者会見に来たのに、何故風呂に入るのだ」と狐につままれる思いだった。その記者会見を催したK川社長も今や鬼籍に入ってしまった。月日が経つのは早い。記者会見の後、ボクは泥酔し、身ぐるみを全てはがされた。
東口側にはもう立ち飲み屋はなさそうだった。ボクは駅を駆け上がり、西口へと向かった。
階段を降り、赤提灯の方角に進むと、公衆トイレがあった。ボクの身ぐるみをはいだ奴はボクの財布から現金とカードを抜き取り、他のものをこのトイレにぶちまけたそうだ。数ヶ月後、ボクの免許証などがこのトイレから発見されたのだ
そのトイレを通り過ぎ、小さな小道に入った。立ち飲み屋はすぐに見つかった。しかも2軒並んでいる。どちらも入りにくいまずは手前にある「かんづめや」という店に入った。赤いのれんのこじんまりとした店である。
缶詰を主なつまみとして出す店は衰退を辿っていたが、実は最近また増加傾向にある。
アキバのヨドバシ側、ガード下に缶詰しか出さない店が最近オープンしたし、ニュー新橋ビルの地下に出来た立ち飲み屋も缶詰がメインメニューである。缶詰は今や古くて新しい切り口である。だが、この西川口の「かんづめや」は古典的な立ち飲み屋であった。
カウンターの向こう側には缶詰が棚に納まっていたものの、カウンター上には、その日の料理が更に盛られて並んでいる。この店のおばちゃんの手料理だった。
生ビール(450円)を頼み、しばし店内を観察する。
「酔ったお客は入店禁止」
「お酒は1時間以内で」と書かれた注意書きが目に入る。
この手のルールは赤羽の立ち飲み屋に由来しているのだろうか。
ビールが運ばれてきたと同時に「焼きそば」を注文したが、売り切れだった。大皿に盛られた「煮物」をいただいた。
「煮物」は少し甘め。ママの好みがうかがえる。キャッシュオンデリ。お金のやりとりもコミュニケーションである。
お客は引退したご隠居の方が数名とサラリーマンが2名という布陣だった。
「焼きとりジロー」も「やまだ」も同じような顔ぶれであった。都心から城北に向かうにつれ、立ち飲みの客はホワイトカラーがどんどん減っていった。その代わり、ブルーカラーや定年した人の割合が増えた。客層が全く違うのである。
荒川を超えた今、その傾向は更に強くなっている。
ビールを飲み干し、「お茶ハイ」(300円)を頼んだ。つまみは「サバ缶」。サバの水煮である。
缶詰回帰の機運はもしかすると東日本大震災が契機だったのかもしれない。保存食として万能な缶詰が見直されるとともに、イナバのタイカレーといった新たなジャンルが登場し、缶詰は再び脚光を浴びだした。
「サバ缶」と「お茶ハイ」の組み合わせは抜群だった。骨も口の中でほろほろになる。やや甘辛い味付けとお茶の爽やかな風味が西川口の雰囲気といっしょに溶けていくように感じた。
想像したよりちゃんとしてる。簡単手軽で美味しい~(イナバの社員ではありません)
何よりその発想に感動しちゃいました。
イナバのタイカレーは、評価が高いです。
自分の周囲の人も多くが、「おいしい」と言ってます(その方々もイナバの社員ではありません)。
昨日、タイ人が経営する立ち飲み屋に行きましたが、イナバのタイカレーは置いてなく、少し残念でした。