飛行機から降りて、湿気を帯びた温かい風に包まれた時、懐かしい気分になった。
42リットルのバックパックを背負い、空港の外に出た時も、暮れゆく空港の風景を見て、自分は今どこかのアジアの街についたような錯覚にとらわれた。
ただし不安はない。ホテルが決まっているから。
空港からゆいレールを使って奥武山公園へ向かう。
那覇マラソンのエントリーである。
自分、ゆいレールに乗るのは初めてのこと。恐る恐るsuicaを改札にタッチしたら通れた。ただ、翌日のマラソン当日は財布をホテルに置いていったため切符を買ったのだが、改札の通り方が分からなかった。改札機に切符が入れられないのだ。駅員に訊いたら切符に印字してあるQRコードをsuicaと同様に機械にタッチするとのこと。マジか。
マラソンのエントリーが終わり、ホテルに着いたら時刻は19時近くになっていた。ホテルの前に食堂がある。沖縄船員会館の一階。店内はかなりお客さんが入っているのが分かる。それを見た瞬間、「この店は間違いないな」と確信した。時刻も時刻。これから国際通りに行くのも大変だし、今夜はこの「いかり屋」にアンカーを降ろすか。
ホテルにチェックインして、すぐさま店へ。
店内は4人掛けテーブルが約14卓。そして実は小上がりの方が広い。自分は一人客だが、4人掛けテーブルに通された。もちろん、「一人でもいいんですか?」と尋ねたら、さらりと「いいですよ」と返ってきた。
さて、メニュー表を繰る。
飲み物は「オリオンビール」一択。そして、つまみは「島らっきょう」。
ところが、「島らっきょう」は値段が高騰していて仕入れられないとか。
しゃぁない。「ゴーヤーチャンプルー」をオーダー。
オリオンは冷えてなくて、ちょっとがっかりなのだが、ここは那覇なんだと思えば全然OK。むしろ、その方が旅らしい。
「ゴーヤーチャンプルー」はマジでうまい。本場の味。
もう最高!
店内は地元客が大半。ただ中には明日のマラソン組と思しき人も。
「オリオンビール」は秒殺。
次の展開が悩むところだが、明日のフルマラソンを控えて、このまま酒を飲んでいいのかとしばし悩む。しかし、ここでセーブしても楽しくない。今日、自分は楽しむために来たんだ! と開き直り、泡盛に手を染めることにした。そこで妙案を思いつく。明日、マラソンを走ったら、恐らく足が痛くて遠出はできないだろう。となると、明日もこの店に来るのが得策だ。それならば、泡盛のボトルを入れるのがいいのではないかと。
寺島進さんに似た、いかにも船乗りのようなお兄さんに「多良川」をボトルでオーダーした。
料理もはいかのお刺身を追加。
飯もうまいし、肴も充実。
泡盛をゆるゆると飲みながら、小上がりを見る。カチャーシーとか踊る人いないかなと見ていたが、さすがにいない。
〆は「沖縄そば」と決めていた。「ソーキそば」ではなく、あくまで「沖縄そば」!
つまみから〆までワンストップ、地方の食堂は最強だよ。
その「沖縄そば」、お出汁が体に沁みいってくる。
明日のマラソン、なんだかうまくいきそうな気分。
今夜は、濃いめの泡盛、3杯でストップ。
残りは明日、思う存分飲めるように。
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