神戸三宮の歓楽街が、こんなに賑わっているとは思わなかった。酒場はたくさんあるし、人も大勢いる。三宮は何回か来たが、盛り場に来るのは初めてだった。
業界大手の商社の部長さんとその部下の方に連れられ、その界隈を歩いている。お店を決める権限がないので気楽なものだ。言い換えると、他人がどういうお店に行くのかは興味津々だった。どういう理由でお店を決定するのか、そういうプロセスを知る機会はあるようであまりない。
けれど界隈を一周してもお店は決められず、また振り出しに。最終的にお店を決めたのは若い女性が客引きをするお店だった。韓流っぽいメイクの若い女性。お店のスタッフだったが、いつしか客引き担当になってしまったという。
けれど、これも刺激的な経験だった。客引きについていくという経験が初めてだったから。しかし、三宮の繁華街に客引きはわんさといる。彼らは彼女らは必死だった。ついて行ったお店を見て、ある程度は納得した。客引きが必要な店は口コミなどにのぼらないお店である。要するに客引きしなければ客が入らない店なのだ。
連れていかれたのは雑居ビルの4階にあるお店で、個室がうりのようだ。部長さんが、「焼き鳥はあるか」という問いに対し、きれいな目鼻立ちをしたその女性の客引きは「ある」と答えていたが、メニューを開くと焼き鳥はなかった。
しかし、飲み物のオーダー後、しばらくすると、焼き鳥は盛り合わせで出てきた。部長さんが「メニューにはなかったけど」と尋ねたら、系列店から持ってきたとのこと。お店同様、なんだか怪しい。
「生ビール」にて乾杯。ビールは多分、モルツプレミアム。お通しは鯛のあらを焼いたもの。さすが明石の隣町、神戸。
お店の個室は清潔ではなかった。それが一見して分かるのが怖い。若い女性のスタッフばかりというのもお店の様子をうかがえる。
2杯目は「酎ハイ」をいただいたが、ビール会社が提供する甘い「酎ハイ」が来た。つまみは唐揚げ、カキフライなど。それらは総じて悪くはなかったが、良いともいえなかった。ただ、ご馳走していただく手前、あまり多くは語れないし、画像もない。
ただし、飲み会の席は楽しかった。独立前まで、あまり濃厚なお付き合いではなかったが、フリーランスになってから幾つかのお仕事をいただいた。その理由が良く理解できた。部内の方が産休を取られているようで人手が足りないらしい。
今夜は明日の取材の前泊日。明日が本番だから、あまり飲んではいけないとセーブしながらお酒をいただく。また、こういう場だから調子に乗る訳にはいかず。
2時間の会食は無事に終了した。
これを書くにあたり、お店の住所を調べようと「食べログ」にアクセスしたらお店は掲載保留になっている。たかだか2週間前の出来事なのに。
しかし、隠れ家居酒屋って言っといて客引きするって、なんか大きく違うような・・・。
需要があるから客引きも存在するんだと思うよ。
>隠れ家居酒屋って言っといて客引きするって、なんか大きく違うような・・・。
確かに。
隠れられないくらい公になってるね。
インドの駆け引きよりは緩いけれど、騙されそうなスリリングさはあるよ。
食べログでの評価はプチボッタクリっぽかったから、潰れるべくして潰れてんだろうねえ。
しかし、わざわざ調べる俺も大概だね。でも、かなり興味引いたもんだから・・・。
このお店はヤバそう。
くわばら、くわばら。