「BBB」

BASEBALL馬鹿 BLOG

居酒屋さすらい 1563 - 『さすらい』史上、最も寡黙な店主は - 「立呑み 裏ちゃん」(港区西新橋)

2019-11-24 19:49:34 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

取引先のPモコムが引っ越しをしたため、やたらと西新橋に行くことが多くなった。そのおかげで、見つけた立ち飲み屋もあり、新たな世界が広がったことは確か。今回、行ってみた「裏ちゃん」もその店の一つである。

西新橋といっても、エリア的にはもはや新橋というより内幸町である。居酒屋エリアといった風情の新橋とは違い、内幸町はビジネス街だ。「裏ちゃん」はオフィスビルの地下に店舗を構えていた。第一印象は裏ぶれた店。だから、「裏ちゃん」かなと思うほどに暗い。ビルの地下だから、暗いのは仕方ないのだが、店主も暗い。「こんにちは」と言って、カウンターについたが、一瞬目を合わせただけで、何も言わない。客は自分より年配のサラリーマン風おっさん2名のみ。店としての賑わいもなく、「つまんね~店に入っちまった」と正直思った。

まずは「ホッピー 白」から。厨房に向かって、「ホッピー 白」と告げたが、何の返事もない。オーダーが通じているのか分からないので、もう一度コールすると、やがて厨房の店主は黙ってホッピーセットを置いた。

なかなか気難しい店主なのかな。つまみのメニューが短冊とホワイトボードに書かれ、バリエーションは意外に多い。和洋折衷、様々なメニューがあり、眺めているだけで楽しい。さて、何にしようかな。まずは「ポテトサラダ」。

いきなりお手並み拝見と頼んだポテサラから度肝を抜かれた。玉子とじゃがいもとマヨネーズのバランスが絶妙。しかもボリュームがあり、これが抜群にうまい。お手並み拝見が逆に強烈なカウンターになって自分に戻ってきた。もしかすると、店主は自分が一見の客だと見込んで仕掛けてきたのかも。

この名刺代わりのポテサラが、店主の技量を象徴していた。次に頼むのは、「カリカリチーズ」。「晩杯屋」の「チーズカリカリ」とは逆の単語の並びである。280円の金額は「晩杯屋」のほぼ倍だが、ボリューム感では圧倒。しかも皮も含めてうまい。この店、一体何なんだ。

メニューを眺めていて、「つくね」という文字を見つけた。この店はいわゆる焼き鳥、焼きとん店ではない。その店が放つ「つくね」とはどういうものか。とにかく気になった。

「つくね、下さい」。

厨房に向けて、肥をかけたが、またもや返事がない。こうなったら、こっちも意地だ。もう二度と言わない。

随分前に西東京市の「たなきん」という立ち飲みに行った。あの店主もとにかく寡黙だった。だが、「たなきん」の店主は、オーダーに対し、一応了解の返事はした。けれども、この「裏ちゃん」の店主は何一つ言わない。言ってる気配も感じられないのだ。 

そうするうちに、「つくね」が来た。

自分のオーダーは受理されていたのだ。その「つくね」、焼き鳥屋のそれとは異なる形をしていた。串に2個刺され、それが2本。つくね一個はゴルフボール大。一口食べたら抜群にうまい。焼き鳥の店ではないのに、この旨さはただ者ではない。「ホッピー」の「ナカ」もこのように気前がいい。

余りにもいろいろおいしいものだから、もう一品追加してしまった。「ほくほく揚げじゃが」(300円)。

フライドポテトとは違う!という気概を見せてくれるつまみ。これがまた本当にうまかった。いや、「ホッピー」に抜群の相性のつまみである。

うまいつまみの数々に圧倒された1時間だった。そもそもお手並み拝見という姿勢で入店した自分。しかし、その心を見透かされて対応された自分はまるでマスターの手の平で遊ばされた孫悟空だった。マスターの方が一枚も、いや三枚も四枚も上手だった。これはものすごい立ち飲み屋だ。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【今日のコーヒー&パン】 2... | トップ | 居酒屋さすらい 1564 - 炒ラ... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (モノノフ)
2019-11-26 12:06:56
立ち飲みですか和歌山ではあんまり見掛けませんが、確かJR和歌山駅近くに一軒だけ有ったと思います(^o^)/
私はでもなるべくなら座って飲みたいかなぁ(^_^;)
返信する
Unknown (熊猫)
2019-11-26 18:32:30
和歌山に一軒とは、なんとも寂しいです。
実は和歌山にはもうかれこれ15年は行っていません。「居酒屋さすらい」もまだ和歌山は未踏なんです。

その一軒の立ち飲みを目指して、行けたらいいなと夢想しています。
返信する

コメントを投稿