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お風呂さすらい 67 「石段の湯」(渋川市伊香保町)

2016-04-30 22:24:43 | お風呂さすらい

大学のゼミ、昼休みを利用して出かけたのが、伊香保温泉の名物、石段の中腹にある公衆浴場である。

実は、この日の朝、石段を散歩していたのだが、石段の中央に水路があることに気が付いた。水路には蓋がされているのだが、ところどころ、その蓋は透明ガラスになっており、中の様子が見える。

褐色のお湯がものすごい勢いで、流れ落ちていく。

この褐色のお湯はもちろん温泉である。

思わずボクはもったいないと思ったほどだ。

 多分、このお湯は、その利権を持つ旅館などに分配されるのだろう。

 

しかし、見事な石段である。

全365段。

いや、石段だけでなく、その両サイドにひしめき合う、景観も含めて素晴らしいのである。

戦国時代に形成されたという石段街。

やはり一見の価値がある。

 

その中腹にある「石段の湯」。

瓦屋根が印象的な和風建築の建物である。

入湯料400円。これで温泉に入れるのだから安い。

 

浴槽は内風呂と野天にひとつ。

決して広いわけではないが、いかにも公衆浴場らしい。

多分、昨夜入った「秋森旅館」と同じお湯のはずだが、それと比べて色が薄いような気がする。ただ、「秋森旅館」の場合、暗がりで風呂に入ったのだから、お湯が濃く見えたに違いない。

ともあれ、褐色のお湯はいかにも気持ちがいい。

濃い風呂はじんわりと体内にしみわたるようだ。

いや、躰ばかりでなく、かたまった心もほぐしてくれるから不思議だ。

 

ただ気がかりなこともある。

割烹「眞楽」の女将によると、年々お湯の色が薄くなっているという。

古から続くお湯。湯量も豊富な名湯は枯渇するのか。

観光客が減り、街も衰退する伊香保温泉。

東京からも近く、実はGWの穴場温泉かも。

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