田町の立ち飲み屋は慶応通りにかたまっている。
焼肉立ち飲みの「鉄火」、わたしが東京三大串揚げ立ち飲みと評価する「たけちゃん」、そして田町の老舗立ち飲み「二合半」である。
駅前にある「やまとや」はいつも賑わっており、立ち飲みの質量では浜松町のそれを凌ぐ。田町の立ち飲みの特徴は専門性が強い点が挙げられるだろうか。
蕎麦屋系、焼肉系、そして串揚げ系。特に蕎麦屋系は「まるちょう」「わへい」(厳密にいえば違うが)、そして「雁木」の3件がそれぞれしのぎを削る。いずれも素晴らしい立ち飲み屋ばかりだ。
立ち飲みラリー山手線編の田町は、既訪店には顔を出さず、田町立ち飲み最後の新規「築地 銀だこハイボール酒場」をオーラスとした。
結果から申し上げる。
とにかくひどい店だった。
注文したもの全てが、出てくるのが遅かった。
「生ビール」が出てくるのに、10分程度の時間を要した。そして、酒肴に頼んだ「たこバジル」(400円)は結局30分経ってもわたしのテーブルには届けられなかった。
お客はわたしの他には1名しかおらず、店員は2名いたにも関わらずにだ。
厨房の鉄板をみると、恐らくわたしが頼んでいたであろう「たこバジル」が調理されており、オーダーは忘れてはいないみようだった。しかしながら、どういうわけか、30分以上の時間をかけて調理がされていた。その間、わたしはビールをちびちびと飲んで待ち続けた。
30分が経ち、わたしは店を後にした。
この店は前払い制なので、わたしはただ金だけを支払ったことになる。
わたしは待たされるのが嫌いだ。ある一定の時間までは辛抱強く待つが、一定のリミッターを超えると、見境もなくイライラする。今回のキャパシティは30分が限度だったのである。
店を出て行く際に、店員はわたしのことに気がつかなかった。
客に無関心なのだろうか。
客を待たせていても平気なのだろうか。
立ち飲み屋はスピードが命である。
そのスピード感を失ってしまったら、立ち飲み屋の存在意義はない。
「銀だこハイボール酒場」はそれを肝に銘じてほしい。
懸命なる読者諸君は、何故わたしがその30分間にオーダーの確認をしなかったのか、疑問に思うだろう。店も悪いが、あんたも悪いと。
入店から20分後に一度、スタッフに、わたしが頼んだ「たこバジル」を聞こうと、何度も呼んだ。だが、気がついてくれなかった。だから、客に無関心なのだろうかと問うのである。
この店はもうない。
今は魚介系チェーンの居酒屋がテナントしている。
立地は抜群のロケーションである。
店が早々に消滅したことに、わたしはとても納得している。
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