「神田屋」を出てメトロの駅へ向かった。ならば、もう〆は「大陸」しかない。もうちょっと飲んでラーメンで〆よう。
店の前で煙草を吸っている輩がいた。なんだか嫌なオーラを出している、自分が店に入ろうとすると、彼も店内に入っていった。その彼は厨房担当の店員さんだった。煙草を吸う料理人は尊敬できないが、人の嗜好まであれこれいう資格もないし、黙って席についた。「大陸」は年老いたお父さんとお母さんが営ってる店である。お父さんは腰が低く、お母さんはテキパキと接客をこなす。このお店が長年、愛されてきたゆえんが垣間見られる。一方、厨房の男にはどこかふてぶてしさを感じる。この男は誰なのか。
お母さんに、「チューハイ」(380円)をオーダー。
「大陸」の「チューハイ」は炭酸が弱いけど、ぎり、許容範囲。
料理は「玉子くずし」(400円)をチョイスした。搾菜と玉子を和えて炒めた手頃な一品である。
「チューハイ」によくあい、うまい。
やるじゃないか、(多分)二代目!
厨房の男は、恐らく後継者だろう。多くの業態で後継者不足が指摘される中、町中華にも容赦なく事業承継の波がきている。言葉は悪いが、さんちゃん経営の多い町中華はさらに後継不足が顕著だ。恐らく多くは廃業の道を選ぶだろう。まだ、後継がいる「大陸」はいい方なのだと思う。
「チューハイ」をおかわりして、「支那そば」(730円)を追加した。オーダーに合わせ、かったるそうだけどコンロ台に戻り、調理を始めた。お父さんは優しい眼差しでその動きを見守る。
出来上がった「支那そば」をお母さんが運ぶ。
ゆで玉子が真ん中に添えられた素朴な「支那そば」。お父さんが鍋をふるっていた頃を自分は知らないが、恐らくこの「支那そば」と遜色なかったのではないかと思う。
うまい。
飲んだ後にぴったりな優しい味。
ふてぶてしさも、いつかは自分のカラーになる。頑張れ、後継者。
「大陸」の灯りを繋いでいこう!
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