T根のクルマに乗って、倉庫からの帰り道、西浦和駅おすすめの酒場をT根に尋ねたら、駅前にある「まる基」という店を教えてくれた。
以前は、西浦和駅にも立ち飲み屋があったようだが、随分前に閉店し、現在は立ち飲み不在エリアである。
「じゃ、その『まる基』という店に行ってみようかな」と呟くと、T根は自分も行くよと言い、T根がクルマを自宅に置いてから、2人で出かけた。
浦和は唯一東西南北の駅名が存在する。実は北浦和も東浦和も降車したことがないが、西浦和は何度かある。高架下にレトロな小さな店が幾つか並び、そこを抜けると、件の店があった。
「まるき」。
まだ、新しい店だった。紺色に染めた店頭幕が店をきりりと引き締めている。大きな店ではなく、店内はカウンターが中心で、6人がけできる大きなテーブル席が設けられている。そこで、ボクらは腰掛けて、「生ビール」をオーダーした。
生ビールは380円。これはかなり頑張っていると思った。ビールの値段設定は難しい。ともすれば、色気を出してしまう衝動にかられるが、そこをぐっと抑えているところに、店主の気概を感じる。
メニューは串焼きが中心で、1本100円からと、これまた安心価格である。
実は、この店にさほど期待を寄せてはいなかった。どうか、無難な店であるようにと祈っていたほどである。だから、オーダーした串焼きがテーブルに運ばれてきたとき、ボクは思わず小さな驚きの声をあげた。「ねぎま」(100円)のたたずまいが見事だったからだ。肉の質感が健康的で、どっしりと存在感を漂わせている。どうやら、岩手県産の鶏のようである。
しかも炭火焼き。店主のこだわりがものの見事に具現化している。
早速かぶりついた。炭火でじっくり焼かれた弾力のある肉が見事だった。うまい。しかもタレも絶妙だった。サラサラの甘辛のタレが焼鳥を更にひきたてる。そして、ネギ。じんわりと甘いネギにボクはただただ感動した。ネギどころ群馬に隣接しており、新鮮でうまいネギが調達できるのだろう。
しかし、こんなにクオリティの高い串焼きは久々である。さすが、東松山を頂点とする埼玉の串焼きである。
店主のいい仕事ぶりがひしひしと伝わってくる。
この後、ボクらは、ビールを白ホッピーに変え、見事な串焼きを堪能した。「名物かしら」(100円)も品質、焼き方、ともに抜群のクオリティである。赤辛味噌が添えられてきたところをみると、やはり東松山の串焼きの流れを汲んでいるのだろう。浦和から武蔵野線に乗り換えるのがちょっと厄介だが、ここはまた再訪したい。ちなみにホッピーのナカはしっかりと「キンミヤ」である。
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