蒲田の名店「万平」に行こうと誘ってくれたのはMJだった。
JR蒲田を降りた東口。居酒屋が密集したごちゃごちゃしたとこ。3年間、蒲田で働いていたが、結局、「万平」に行ったことがなかった。
黄色いテントの目立つ店。店内が見えなくて入りにくく、初めて来店する人は扉を開けるをためらうだろう。
人は何故、鶏の唐揚げが好きなのだろう。いや、もっと言えば、ビール飲みは何故、唐揚げに熱狂するのだろう。
サッポロ黒ラベルの大人エレベーターでの斉藤和義氏をみて、恐らく多くのビーラ-は、妙に納得したはずだ。やっぱ、ビールには唐揚げだと。
東京ガスのCM。「お父さん、やめてよ」編で、娘が連れてきた婚約者が、唐揚げをつまんだ瞬間、お父さんは、「君、それもう6個目だぞ」と指摘する場面はやはり唐揚げは男を熱狂させ、惑わすのだと改めて認識した。
婚約者の食べた唐揚げの数を数えているお父さんもお父さんだが、婚約者宅で無遠慮に唐揚げを食べる奴も食べる奴だ。ともあれ、唐揚げを巡って、恐らく今夜もどこかで人を狂わせているだろう。
本当にうまい、鶏唐の店って意外に少ないと思う。揚げ物の定番中の定番、鶏の唐揚げ。多分、唐揚げの旨さを決める要因はひとつに素材、そしてもうひとつが下準備だ。素材などの仕入れは相手があることなので、難しいが、下準備は丁寧さが求められる。
だから、「万平」の「鶏の唐揚げ」を一口食べたときは、大いに唸った。これは丁寧な仕事をしていると。多分、下処理の過程で、徹底的に水分を取り除いているのだろう。そして、極め付けが衣作り。衣が白くなっていることから、片栗粉が多用されていると思われ、唐揚げというよりもむしろ竜田揚げに近い。片栗粉によって、よりサクサク感を出している。
これはうまい!
さすが、鶏の唐揚げの有名店だ。
料理もそうだし、飲み物の値段は総じて高い。
「生ビール」は750円。高価だ。恵比寿の「縄のれん」の800円に次ぐ高さ。
ホッピーセットが650円。「ホッピーなか」は300円。これは想定外の値段だった。つまり、「なか」を2杯お代わりすると、1,150円にもなる。平均的な立ち飲みだと、セットで400円。「なか」は200円だ。
「酎ハイ」が380円。これを3杯飲む方が、ホッピーを飲むよりも10円安くなる。これは通常の酒場にない珍現象である。
そういうわけで、ボクらは「酎ハイ」を飲み、「鶏の唐揚げ」に舌鼓をうった。
ちなみに「唐揚げ」はにんにくがたっぷりである。料理が運ばれてきた際に、ボクがそれを指摘すると、なマスターは「なんだい?これからデートかい?」と言った。とにかく、陽気なマスターである。
「鶏の唐揚げ」は絶品である。
惜しむらくは、酒肴の値段設定。奮発できる日でないとなかなか行けない。
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