カレーの街、アキバ。そのアキバの中でも、とりわけ激戦区のエリアが末広町の蔵前橋通り沿いにある。狭いエリアには、4店舗のカレー専門店がひしめきあう。そのうちの一つ、「カリガリ」は、お昼時ともなると、女性のお客でいっぱい。ちょっとした、お洒落カレーの店だ。
初めて、店に入った時の印象は、ちょっと衝撃だった。メイドっぽい女性が、オーダーを取りにきたから。さすがアキバである。
そうしたチャラい店とは裏腹に、カレーの思想は確固たるものがあるようだ。
「堀江貴文が刑務所の中で外に出たら食べようと夢想い描いた至極のイノベーションカレー」や「インド人完全無視カレー」など、キャッチーなコンセプトを謳う。前者はともかく、意味深な後者は、ともすれば、排外主義にもとれなくもないが、明確なコンセプトがあるのだと信じたい。
今回のお邪魔で2回目の訪問。
ベーシックメニューの「インドカレー」(780円)をいただく。トマトを使ったカレーソースには、複数のスパイスがホールで用いられている。サフランライスと黒いカレー皿が補色のコントラストを醸し出し、極めて美しい。トッピングされているのは、少量のパクチー。
カレーソースには、独特の重みがある。悪くいえば、もっさり感。要するに、シャバシャバではなく、若干のとろみがあると思えばいい。その根拠が分からないのだが、その重みが食欲をそぐきらいもある。
銀座のクラブの裏メニューとして共されたというのが、同店のカレーのルーツだという。その源流がどこにあるのか、知りたいとは思う。同店の基本メニューである「カリガリカレー」は何故にココナッツミルクを用いたのか。その流れはタイやヴェトナムにルーツがあったのか。何故に銀座のクラブなのか。考えればなおさらに興味が湧いてくる。
ともあれ、同店はイベント等も盛んに行っており、アキバのカレーシーンを盛り上げているのも事実。アキバのエンターテインメントカレーだ。
なお、台東区台東にあるカレー屋さん、「カリカリ」と店名が酷似しているが、もちろん違う店。店名が似ているので、注意が必要だ。
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