5月の終わり、新橋を探検してみた。
まずは烏森。辺りは暗く、一種異様な雰囲気が漂っている。様々な格好をした男女の客引きたちが集まり、まるで獲物を狙うが如く、様子を窺っている。ある者はアメリカンポリスのようないでたちで自分を凝視し、ある男は「飲めますよ」と小さな声で呟く。確かに営っている店はあった。店は開けているが、営っているかどうか分からない酒場もあった。
「馬力」。
予想通り、営っていた。しかも、かなりの激混みだ。パス。
烏森の最深部まで行ってみた。やはり何店舗か店を開けている。しかし、どこも店内は混雑していた。ガラガラは嫌だが、混雑しているのも嫌だった。念のため、ニュー新橋ビルの地下に行ってみた。シャッター通りと化していた。今日はもう帰ろうかと思い、西新橋の方に行ってみた。SL広場を背にしたメイン通りである。夜の帳は少し明るくなり、賑やかになった。営業している店は俄然多くなった。通りを右に折れて歩くと、街娼がいた。
「お兄さん、マッサージする?」。
日本語がたどたどしい。どこの国の人だろうか、はっきり判別しない。
その街娼が立っている場所の前にたたずむ店が「鴻運」だった。入口から中の様子は見られない。その自動扉には「ホッピー 350円」の貼り紙はあれど、酒の提供はしていないという紙はなかった。
「もしや」と思った。
店舗はだいぶくたびれていて、かなり汚い。ここならお客さんもあまり居なくて、ゆっくり酒が飲めるのではと踏んだ。
店に入ってみた。
店内に充満した煙草の煙に包まれた。テーブルが一つだけ空いているのが見えた。
「お客さん、何名さん?」。
またもやたどたどしい日本語。とりあえず、酒が飲めるかを聞かなければならない。周囲の客を見ると、酒らしきものを飲んでいる。
「お酒、飲めますか?」。
お姉さんに聞いてみると、うんうんとうなづいている。ならば、座らせてもらおう。一階で唯一空いていた4人掛けのテーブルに一人でついた。
まずは「ホッピー」セット白から。「外」は350円と記載されているが、セットや「中」はいくらか表示がない。350円で釣って、実は「中」が高かったりしてね。
つまみはどうするか。壁のメニューを見ると、340円からつまみが揃っている。主力は580円の料理で、700円台もあれば1,000円を超えるメニューもある。ほぅ、「ハチノス」があるか。まずは、これでお手並み拝見。
その「ハチノス」(580円)は辛ソースで和えたつまみ。これは旨いし、絶妙なつまみだ。
隣のテーブルは男女のカップル。じろじろと見なかったが、どうも若いカップルのようで、そんなにまだ距離が短くなってない感じ。女性はちょっとリラックスしてない感じ。その奥には仲良し3人組といったあんばいの中年。40歳くらいだが、堅い仕事ではないようだ。彼らが煙草をばんばん吸って、店内の空気を白くさせている。
さて、順調にホッピーと「ハチノス」を平らげ、「中」をおかわりしながら、つまみに「ピータン」(340円)をオーダー。きゅうりにピータンを載せた不思議な一品。でも、ピータンは好物だから、素直に旨い。
〆に「炒飯」か「ラーメン」でもいただこうかと思った。メニューを見ると、「炒飯」はあるが、麺らしきものは見当たらない。その「炒飯」も700円くらい。結局、悩んでやめてお会計。1,900数十円。すると、ホッピー「中」は150円くらいか。
それでもこの店は充分に堪能できた。
外に出て、駅へ向かうと、例の街娼がまだ居て、「お兄さん、マッサージ」と笑いながら言う。自分も笑いながら、「またね」と言った。
道路を渡るとスパムステーキの店があるのですが。
私はこの界隈で客引きに声をかけられたことが一度もないのです。ましてや街娼なんて。
おはようございます。
>博多天神さんの近くですかね。
その通りです。駅を背にして「博多天神」を右に曲がってすぐです。
最近は道路を渡ることってないですね。あのスパムステーキの店はこの辺りだったんですね。
>私はこの界隈で客引きに声をかけられたことが一度もないのです。
そうでしょうね(失礼)。
自分の場合、カモが来たと思われているかも。
今度詳しく教えてね~。
世の中復活したら行こう!
烏森にも店舗があるみたい。このお店は新店らしいけど、いかんせんボロい。実は今週も行きました。
いつでもOKですよ!
煙いのは辛いね。
「上海小吃」も喫煙可なのね。
この店、入った瞬間、空気が真っ白だった。多分、吸えるとみて、喫煙者のたまり場になっているのかも。