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居酒屋さすらい 1911 - 冷たい客あしらい - 「魚菜酒房 一休」(横浜市中区桜木町)

2022-06-10 20:58:05 | 居酒屋さすらい ◆地方版

業界のとある展示会が予定されており、取引会社が出展するので招待状を貰った。取材に行っても、掲載する媒体がないから、張り合いがないなと思ったけど、業界の主要商社がこぞって出展するから、いっぺんにご挨拶できるし、無駄骨ではないだろうと出かけることにした。帰りは久しぶりに桜木町のぴおシティで立ち飲みでもしようかと考えていたら、最近何かと接近してくるO坪さんから連絡があり、展示会の後、飲みましょうとなった。はじめは正直どうしようかなと思った。恐らく、割り勘だろう。そのうえ、何かお願い事をされたりするかもしれない。面倒だなと思ったが、一方ではO坪さんにも興味があった。というのも、彼は風貌に似合わず、センシティブな小説を書くのである。ネット上にあげられている、その小説の一作品を、あまり期待をせずに読んでみたところ、それが実に興味深かった。戦前のソウルが舞台なる、その小説の主人公は日本人と韓国人との間に生まれた女性なのだが、O坪さんが本当に書いたのかと思うほど、その女性を瑞々しく描写していた。そのギャップがにわかに信じられなく、自分はO坪さんに興味を持った。だから、ちょっと飲んでみようかなと思ったのだ。

結局、展示会の取材は掲載誌が見つかり、夕方までしっかり仕事をした。16時になり、O坪さんと落ち合って、ぴおシティに向かった。自分の場合、ぴおシティで知っているお店は立ち飲み屋だけである。「どこがおすすめですか?」とO坪さんに尋ねられたが、本当に分からない。「よく分からんのです」と言うと、彼は突然、「ここにしよう」と言った。

「魚菜酒房 一休」。

魚の文字に惹かれたらしい。

店内はそれほど広くなく、我々は入口の対角線側、奥のテーブルに陣取った。O坪さんによると、後でもう一人来るらしい。「熊猫さんに紹介したい人かいて」。

まずは瓶ビールで乾杯。あぁ、一日中歩きっぱなしだったから、喉がカラカラだ。O坪さんに、小説を読んだ話しをすると、彼はとても喜んだ。小説を書くこと、文章を紡ぐことについて、彼は真剣だった。

すると、お店の店員さんが来て、料理の注文を促した。最近はつまみを頼まない輩がいるから、そういう目はシビアになってきている。厨房の壁にメニューの黒板があって、そこに大きく出ている、「刺盛」(700円)と「もつ煮込み」(560円)をオーダーした。「刺盛」は6点の魚の刺身で、確かにそれは700円にしては、かなり豪華だった。一方の「もつ煮込み」はちょっと期待はずれ。でも、ここは魚で真価が発揮されるのだから、明らかに選択ミスだった。

「ビール」から、「ホッピー白」へ。

一方、O坪さんは、日本酒に。その際、店員さんが、「飲み方は?」と尋ねると、O坪さんは、「コップで」と返した。寒いジョークではあったが、店員さんは、あからさまに嫌な顔をして、場は一瞬にして凍りついた。この店員さんは、どうも本気でO坪さんを嫌っているような対応だ。2,3分置きに鼻をほじったり、耳がちょっと遠かったりして、確かに面倒な客だが、そこまではっきり態度に出さなくたって。ただ、O坪さん自身は、その冷たい客あしらいに何も反応しない。気づいているのか、それとも気づいていないのか。

やがて、もう一人の参加者、Sり電気のYさんが来て、場は盛り上がった。Yさんはまだ30代。店員さんの対応は普通だった。老人が嫌いなのか、それとも単なる自分の気のせいなのか。

お店は満席になった。若いお客さんもかなりいる。この日は雨。実はこの後、野毛に行くのだが、その野毛はガラガラだった。多くの人が駅から濡れずに行けるぴおシティを選んだのだろう。

これも後で分かったのだが、このお店、かなりの人気店らしい。理由は、隣接する人気の立ち飲み屋「ふくふく」であぶれた客が来るらしい。その立ち飲み屋の料理も、この「一休」で作っているらしく、同じものが食べられ、同じものが飲めるらしい。

ただ、いくら人気店だからといったって、人によって対応が冷たいのはいただけない。O坪さんだって、店員さんに絡んだ訳じゃないし。

会計はやはり割り勘になった。それはいいのだが、Yさんは途中で来たのだから、とO坪さんにいうと、O坪さんは5,000円札を投げるように出した。どうも人間関係が荒れ模様である。

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