大阪を発ち、翌日は京都へ。

♪~ 京都大原 三千院 ♪
三千院と言うと、ついこの歌詞が浮かんでしまう

今は新緑の季節
緑の色彩は心身ともに癒してくれる効果がある

手を頬に当てている三千院の童地蔵
だんだんと苔に埋もれて…

額縁庭園で有名な 宝泉院
柱で区切られた空間を額縁に見立てる
向こうに見えるのは五葉の松の古木



詩仙堂
現在は曹洞宗永平寺の末寺だとか
皐月が終わりに近づいていた。次は紫陽花。

二条城
学生の頃に、初めて訪れた京都はどこかパラレルワールドに迷い込んだような不思議な感覚がした。
それは、私が暮らしている場所とは、まるでかけ離れた空間であり、空気を感じたからだったのかもしれない。
しかし、歳を重ねるに従い、日本的な美しい形に惹かれるようになった。
芸術的なものというと、一般的には美術館などへ赴き、味わうものになるけれど
中世のヨーロッパのように、芸術は寺院に付随するように、京都に来ると社寺そのものに美意識を呼び覚まされ、いつしか刺激を与えられているのが心地よいのだ。
今回も訪れた寺などでは、計算された作庭、障壁画そして寺宝などを感嘆の思いで拝見した。
何より源氏物語千年紀の今年、織物による源氏物語「源氏物語錦織絵巻」を拝観することが出来た。
それは今までの織に、更に斬新な新しい技法を創造して、源氏物語を織で表現したもの。
織はまるで分からないけれど、その1枚1枚の源氏絵巻は正に一幅の絵画。
素人の私でも、その織の困難さは容易に想像できる。
作者の山口伊太郎は後世に自身の到達した事績を残すべく70歳の折に制作を開始し、37年の歳月をその完成に費やし105歳で亡くなったという。
いつ訪ねても、京都は更に奥が深くなり
私にとっては、未だにパラレルであり、幽玄の世界なのだ。