幽玄の京都

2008年06月03日 | art

大阪を発ち、翌日は京都へ。




  ♪~ 京都大原 三千院 ♪
  三千院と言うと、ついこの歌詞が浮かんでしまう




  今は新緑の季節
  緑の色彩は心身ともに癒してくれる効果がある




  手を頬に当てている三千院の童地蔵
  だんだんと苔に埋もれて…





  額縁庭園で有名な 宝泉院
  柱で区切られた空間を額縁に見立てる
  向こうに見えるのは五葉の松の古木













  詩仙堂
  現在は曹洞宗永平寺の末寺だとか
  皐月が終わりに近づいていた。次は紫陽花。




二条城


学生の頃に、初めて訪れた京都はどこかパラレルワールドに迷い込んだような不思議な感覚がした。
それは、私が暮らしている場所とは、まるでかけ離れた空間であり、空気を感じたからだったのかもしれない。

しかし、歳を重ねるに従い、日本的な美しい形に惹かれるようになった。
芸術的なものというと、一般的には美術館などへ赴き、味わうものになるけれど
中世のヨーロッパのように、芸術は寺院に付随するように、京都に来ると社寺そのものに美意識を呼び覚まされ、いつしか刺激を与えられているのが心地よいのだ。

今回も訪れた寺などでは、計算された作庭、障壁画そして寺宝などを感嘆の思いで拝見した。
何より源氏物語千年紀の今年、織物による源氏物語「源氏物語錦織絵巻」を拝観することが出来た。
それは今までの織に、更に斬新な新しい技法を創造して、源氏物語を織で表現したもの。
織はまるで分からないけれど、その1枚1枚の源氏絵巻は正に一幅の絵画。
素人の私でも、その織の困難さは容易に想像できる。
作者の山口伊太郎は後世に自身の到達した事績を残すべく70歳の折に制作を開始し、37年の歳月をその完成に費やし105歳で亡くなったという。

いつ訪ねても、京都は更に奥が深くなり
私にとっては、未だにパラレルであり、幽玄の世界なのだ。


コメント (2)
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