森浩美の「夏を拾いに」を読んだ。この人の作品は短編集を2冊読んだがあるが、この作品は長編。
40代後半の広告マン小木弘文が主人公。最初の30ページは主人公の文弘の今。そこから先は文弘の小学校5年生だった昭和46年。おそらく舞台は群馬県かな。
当時のテレビ番組やCM、フラッシャー付きの変速自転車、赤チンなど懐かしいモノの話を交えながら描かれる子供の社会。文弘と仲良しの雄ちゃんと、つーやんに途中から東京から転向してきた優等生高井君が加わる。不発弾を探す夏の日・・・。
この作品のテーマは映画「スタンド・バイ・ミー」らしい。40年以上も前の話だけど、子供の世界にも格差はあり、イジメ、児童虐待はあったんだなあ。
町の映画館の話。俺の故郷の桑名にも町の映画館があった。確か桑名キネマ。昭和50年頃だと思うけど、よくブルースリーの映画見に行った。2階にあるキネマ2は日活ロマンポルノなどエロ映画専門。ロビーに貼ってあるポスターには子供心ながらドキドキした。2館とも高校生の頃に閉館したと思う(涙)。
最後の12ページは平成19年の彼ら。大人になった4人の今・・・。最近、あまり読んでないけど重松清の作品に似てる作風だった。
スタンド・バイ・ミー日本版!