天気予報通り連休最後の
今日は、雨になりました。
午前中は降ったり
やんだりしていましたが、
午後になると青空も・・。
一番ほっとしているのは
何を隠そう私かも知れません。
なぜなら・・・。
折角花開いた金木犀が、
散らずに済みますもの。
窓を開けると、
今日も仄かな香りが漂います。
そんな今日という日、
『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』では、
軽食をご用意しました。
先日の中原淳一の言葉ではありませんが、
偶には食事の場所を変えてみるのも、
暮らしに彩りを添えますね。
これは、アンやミス・ラベンダーにも
共通している事です。
“磨きのかかったテーブルには、
大きな青い鉢に溢れるばかりスノーボールの花が盛られ、
光沢のある黒い炉棚には
薔薇と羊歯がこんもりと活かっていた。
どんな小棚にもほたるぶくろが挿してあり、
炉格子の暗い両隅には、
燃えるような黄色いけしを盛り上げた
壺が飾ってあった。
この色とりどりの花の賑わいに加えて、
窓に絡んだ忍冬の蔓の間から光線が差し込んで、
壁や床の上に踊り回る葉陰を投げ、
平素は暗いこの小さな部屋を
アンが想像のうちに描いていた、「東屋」に変えた。”
【「アンの青春」 第17章】
『アンの世界』 とは言え、
こんな大掛かりなセッティングは
来客のある時に限られているようです。
しかしながら、大好きなイギリスでも
アフタヌーン・ティーなどでは、テーブルクロスや
トレーにレースを敷いたりするのは常識。
あくまでも、ゴージャスに・・ですね。
さてこの所、土物の器が続いていましたので、
久し振りに薔薇に拘ってみました。
カップは 「ノリタケ」 です。
派手さはないけれど、
優しい穏やかな色合いのカップです。
ちょっとここだけ春が来たようです。
今日の 「薔薇の詩」 は、立原道造の詩から。
わがまどろみは覚めがちに
立原道造
窓に ひとすぢ さしそめた
星の光? 月のかげ?
いいえ いいえ! 夜の明けだ
断れた 眠り 消えた 薔薇!
眠りのない 噴水が よつぴて
さざめいていた ひそかな愛の
ささやくやうに 思ひ出のほほえみが
夢のうちにかへって来たやうに・・・・・
おまへだったのか さうして 薔薇の
内側に 醒めている 静かな世界を
のこして行ったのは? さうして
噴水を 眠らせなかったのは?
窓に ひとすぢ もうさしそめた?
いいえ いいえ あれはまぼろし!
夜はふかく 病む人の眠りのやうに
ひつそりと 過ぎて行く 暗く暗く
夜の明け? 断れた眠り・・・・・
見つめている 光 耳のなかに
昼の鳥らの歌がして もう夜の明け?
いいえ あれは 星のかげ 夜のうた!
外の空に 溢れるものは 闇
答へるものもなく 見られずに・・・・・
熱くされた悲哀が しづかにかへって
長く長く 夜が続く―― 声もなく!