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こちらは、この所恒例となりました・・晴れているのに真珠色の空です。
相変わらずの花冷えも続いています。
午後も遅くなって、やっと淡水色の空が戻って来ました。
そして、ス~ッと刷毛で描いたような雲・・。
今年は例年より春が早く来て、桜もそのつもりでいたでしょうに、
とんだ番狂わせですね。
尤も私は今のこの状態、結構楽しんでいるのですが・・。
楽しい事は、先に延ばしておく程、更にその楽しみは多いのですもの。
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「・・・それから、すみれ はね、
天使たちが空に星穴を開けた時に落ちた空の切れ端だと思うの。
それから、きんぽうげ は古くなった日光から出来てるしね。
スイトピー の花は天国へ行けば蝶々になると思うの。・・・」
【「アンの青春」 第19章】
さて、性懲りもなく今日もすみれの話題です。
“すみれ”、何と語感が爽やかなのでしょう。
“ヴィオラ” とか “パンジー” なんて、なぜか言いたくない気分・・。
それにしましても・・。すみれって、不思議です。
私は、どちらかと言うと漢字派ですが、すみれだけは 「菫」 と漢字にしたい時と、
ひらがなの方が良い時と・・両方あります。
古いフランス映画など観ていますと、すみれの花束を持った、
“花売り娘” が、出て来ますね。こんな時は、「菫」 でしょうか・・。
他愛もない事ですが・・。
そして、三色すみれは天真爛漫ですが、すみれには何とも言えない、
愁いがあるなんて、秘かに思っています。
可愛らしいけれど、ちょっぴりミステリアスでもある花・・。
そんな所にも惹かれるのかも知れません。
「不思議の国のアリス」 では、
ディズニーが、この三色すみれを見事に擬人化していましたね。
すみれの花は、薔薇の花と同様に、ヨーロッパでも人気があるようです。
日本でも、「すみれの花、咲く頃・・
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【代表的な 「すみれ」 の曲】
☆歌曲すみれ Das Veilchen モーツァルト ☆すみれ La viollette ストリーボッグ ☆歌の翼に メンデルスゾーン ☆遠くに トスティ |
それでは、ゲーテの詩にモーツァルトが曲をつけました、「すみれ」 を紹介します。
モーツァルト、29歳の時の作品です。
す み れ
1本のすみれが ひっそりと咲いていた
身をかがめ とても愛らしいすみれだった
そこへ羊飼いの娘が やって来た
軽やかな足取りで 歌を口ずさみながら
”ああ!” とすみれは思った
私がこの世で一番美しい花だったら良かったのに
ほんの少しの間でも あの娘に摘まれて 胸に押し当てられて
ほんの少しの間 たった15分だけでもいいから・・
ああ、それなのに! 娘はやって来たが すみれには目もくれず
可哀想なすみれを 踏んでしまった
すみれはつぶれ息絶えたが それでも嬉しかった
あの人に踏まれて死ぬんだから! と
哀れなすみれ・・
それは本当に可愛らしいすみれだった