声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

マッチ箱の家

2012-12-01 23:25:50 | 自衛官時代の想い出
自衛官の給与は、職種によっても勤続
年数によっても異なります。
また、危険な任務ほど高くなります。

その点、音楽隊は前線に出ることは
まずないので、給与は危険手当の付く
任務に比べると低いのです。

とはいえ、衣食住が全て保証される駐
屯地内での独身者の生活では、
お金を使う事が少なければ、かなり貯金ができます。

そういう場合を営内生活、また結婚して駐屯地の外で居を構える事を営外生
活と言いますが、
中層階級になると大方の自衛官は結婚して営外に出ます。

営外生活者のほとんどは、駐屯地の周辺にある官舎に住んで質素な生活を家族と送りますが、
その官舎はマッチ箱のような小さな箱を思い浮かべる簡素な作りで、もちろんエレベーターなどはありません。

その上、年に何度か畳や襖などの点検もあるらしく、
小さな子供がいる隊員は、部屋を汚したりしないよう、気を遣いながら生活をしています。
国から借りている住居ならではの独自のルールがあるのです。

一度、中堅の隊員宅を訪問した事が
ありますが、部屋には段ボール箱がところ狭しと置かれ、
奥さんが六畳の部屋に金属の部品をハンダ付けする内職をしていたらしく、生活は決して楽ではなさそうでした。

陸曹クラスの既婚隊員の奥さんは、
当時から、ほとんどが内職やパートに出て働いていました。

また、昇級して幹部になると、
制服や住居費も全て自費となるので、出費が嵩みます。

超エリート以外の自衛官は現役時代は
質素な生活を強いられます。
それでも、定年まで我慢するのは
退職後に終身恩給もつき、老後は悠々自適の生活が送れるからです。

笑い話ですが、教育隊時代は女性教官達から
「付き合うなら防大卒のエリート幹部にしろ」
と、よく言われたものです。


同じ幹部でも超エリートになれば、
奥様方の交流会もあって、お付き合い
にも相当お金がかかるようですが、

超エリートの場合、
第二の人生でも高級取りを約束する天下り先が用意されているので
その生活ぶりは一般自衛官の家庭とは全く異なります。

私の同期に海上自衛隊の陸将補の奥さんがいますが、奥様方で「真珠会」と
いう社交場を作って優雅な茶話会など
を催しているとの事でした。


では、音楽隊での昇格はどうか…。
残念ながら、
音楽隊の場合、topまで行って一等陸佐
(昔なら大佐)でしょう。

超エリートと言われる陸将補や陸将にまで昇格する人を、私は未だに知りません。






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