今回は一番ハードな訓練の話です。
行軍と野営は訓練の中でもメインイベントとあって、そのキツさはかなりのものです。
アーミーグリーンの網付のヘルメットをかぶり、水筒と缶メシ(缶詰の食糧)、寝袋など
それに64式小銃を携えてただひたすら歩く訓練が行軍ですが、
自分の背負っている荷物だけでも相当な重さの上に長時間あるくわけですから、辛いのなんのって…。
そして演習場についてからは、休む間もなく、すぐにテントを張ります。
二人一組になって、まず側溝を掘り、班長の説明を聞きながら組み立ててゆくのです。
二人で寝るのがようやくの狭いテントは、下がゴツゴツして寝袋を使っても寝苦しさ極まりなく、
しかも夏でも夜間はかなり気温が下がるので、寒さとの戦いです。
自衛隊演習場は草茫々とした荒れ地が多いのですが、野営演習を行う場所は
(富士もそうですが、)
地形的にも凸凹が多く、走ったり登ったりだけで体力を消耗します。
夜中の歩伏訓練では、泥の中を這いずり回り、戦場さながらの想定で様々な障害物を
越えなければならないのです。
その内容は自衛官なら誰でも経験したことのある試練でありハードルでもありますが、
何が一番辛かったかといえばトイレです。(ー ー;)
演習場に到着後すぐに寝るためのテントを張ると同時に、各班で自分たちのトイレを
作るのですが、
両足で跨げるだけの溝を掘り、
板を被せその上に目隠し用のテントを張っただけの簡単なものです。
これで準備は万端なのですが
これが、どうもいけないのです。
昔の田舎の浅いトイレを思いうかべると、その理由がわかるというものですが、
はね返りがあるようで怖いのです。
~_~;
しかも前任者の遺物が全部見えていて
そこへ自分の新たな遺物を重ねていくわけですので、
( お食事中の方、ごめんなさい。)
一週間も使っていると結構、満杯になります。
野営訓練中、ずっと便秘に苦しむ隊員のなんと
多いことでしょう。
自衛官はタフでなければできない仕事、
しかしながら、
このタフとは、どんな環境でも耐えられるという強靭な精神力を指すのだと
思い知った経験でした。