母が育てたカサブランカ。一輪さいたところで、ばっさり根元から切って切花に。
「いいの?」と聞いたら「大丈夫、全部咲くから。」ホント、母の留守に見事に咲いていました。
朝9時頃、まだ家にいると、私の実家で暮らしている長男から電話。
「おじいちゃんが、おばあちゃんのお見舞いに行くって、言ってるけど、僕夜勤明けでしんどいし、ママなんとかして。」
「わかった。病院行く時に乗せていくわ。食事はちゃんとつくってや。」
「朝と晩は作るから。昼間は寝ないと。」
「わかった。昼は何とかするから、朝と夜はまかせたよ。」
「うん。」
幼稚園前からはじめた夕飯作りの役割分担は、こういう時、役に立ちます。カレーにスープ、パスタ、サラダ。長男のレパートリーは結構あります。
実家に着いて、父に「病院に行こうか?」というと、「え?僕もいくの?」
「長男から、お父さんがお見舞いに行きたがってるからって聞いたけど。」
「誰が入院してるの?」
「お母さん。」
「えー。どこが悪いんや。」
「心臓。」
「行く?」
「行くわ。」
車に乗ってしばらくすると「お母さん。入院してんのんか。」
「明日帰ってくるから。」
「今日帰られヘンのか。」
「どこが悪いんや。」
「心臓。」
「お昼買って行って、お母さんと一緒に食べよう。」
「お母さんの分はいらんのか?」
「お母さんのは病院で出るから。」
「そうなんか。なんで病院にいるんや。」
「心臓が悪いの。」
病室に行くと、母はベッドで本を読んでいました。顔色もよくて、結構元気。
「どうしたんや。どこが悪いんや。」
今度は母が「心臓。」
「わしより先に死ぬなよ。」
ピントはずれているけれど、母が心配で仕方ない父でした。