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樹の組曲

2024-02-04 21:00:00 | ロマン派
この前に行った京都コンサートホールの前の欅ケヤキ。

寒そう…。
ジャパニーズ・ウイスキーの樽に使われることで有名です。
導管を塞ぐ「チロース」と呼ばれる物質が発達しており、水を通しません。狂いが少なく湿気に強いのが特徴で、幅広い用途に使われます。

木目が美しく、磨くと著しい光沢を生じます。堅くて摩耗に強いので、家具・建具等の指物に使われます。
日本家屋の建築用材としても古くから多用され、神社仏閣などにも用いられています。ケヤキ材からは仏像も作られます。現在は高価になり、なかなか庶民の住宅には使えなくなっているそうです。

ジャン・シベリウス(1865-1957年)フィンランド大公国ハメ州ハメーリンナ生まれ.フィンランドウーシマー州ヤルヴェンパー没


1914年に作曲された「5つの小品」は「樹の組曲」と呼ばれています。
初めの3曲は1914年9月14日に作曲されました。

1 ピヒヤラの花が咲く頃
2 孤独な松の木
3 ポプラ
4 白樺
5 樅の木

第1曲「ピヒラヤの花咲くころ」(När rönnen blommar)、ピヒラヤはナナカマドの一種だそうです。

夏に花を咲かせ、秋には真っ赤な実がなります。
メロディの一部は後年(1918年1月)の歌曲である「彼女の便り」(Op.90-2)に転用されています。

第2曲「孤独な松の木」(Den ensamma furan)

日本の松とは違いスコッツパインが森の44%を占めているそうです。

第3曲「ポプラ」(Aspen)終盤の左手による半音階は、クラシックファンであればこの曲を知らずとも、後に書かれる傑作「交響曲第5番」第1楽章のファゴット・ソロに続くものです。

ヨーロッパアスペン

残り2曲はその数週間後に書かれました。

第4曲「白樺」(Björken)は1914年10月頭くらいに完成しました。
この曲は交響詩「大洋の女神」に転用され、「水」との親和性が高いと思います。


第5曲「樅の木」(Granen)

は9月23日に完成。同じくピアノ曲のロマンス(10の小品Op.24-9)の旋律と関わりをもちます。

第5曲「樅の木」