
月曜日に行った京都出町柳商店街の映画館「出町座」


もはや何を売っているのか、よくわからないお店も…。


が、それぞれ1838年、1839年、1840年と、この作品の作曲前と作曲中に亡くなったことが大きいでしょう。

オペラの台本作家、フェリーチェ・ロマーニ

は継承戦争の歴史上の人物で、 1709年のポルタヴァの戦いでザクセン人の侵攻を受け、王位を失います。
並びには

昔の映画のパンフレットや、LP版レコードを売っているお店があり、

懐かしい絵本を売っている古本屋さんがありました。

もはや何を売っているのか、よくわからないお店も…。
ここはゆっくり時が過ぎているような気がします。
ジュゼッペ ヴェルディ(1813 - 1901年)フランス第一帝政ブッセート レ・ロンコレ生まれ、
イタリア ミラノ没

ヴェルディの肖像、モレンティーニ作、1839 ~ 1840 年

ヴェルディの肖像、モレンティーニ作、1839 ~ 1840 年
初めて書いた歌劇「オベルト伯爵」が成功し、ミラノ スカラ座の興行主メレッリの依頼され、27歳1840年に、喜歌劇「1日だけの王様」または偽のスタニスラオ
を書きました。
しかし、この興行は大失敗。
批評家からも散々な酷評でした。
ヴェルディは以来喜歌劇を封印。
次作1889年喜歌劇「ファルスタッフ」を書くまで49年かかりました。

こちらの方は、チケットは通常の30倍の価格にも関わらずヨーロッパ中から王侯貴族たち、芸術界の重鎮が集まり大盛況。
カーテンコールは1時間続いたそうです。
「1日だけの王様」のために集められたオペラ歌手に喜歌劇の経験がなかったことが失敗の原因にあげられています。
また、イタリアはオーストリアに支配され、人々の不満が渦巻き、リソルジメント(イタリア独立運動)の気運が高まっていた時代の空気に合わなかったこともあるかと思われます。
個人的な理由として、ヴェルディの2人の子供と妻マルゲリータ・バレッツィ

が、それぞれ1838年、1839年、1840年と、この作品の作曲前と作曲中に亡くなったことが大きいでしょう。
この後シリアスな悲劇の歌劇の傑作の数々を生み出しますが、この失敗が無ければ、成功も無かったかもしれません。
喜歌劇「1日だけの王様」

オペラの台本作家、フェリーチェ・ロマーニ
ポーランド王スタニスワフ・レシュチンスキ王

は継承戦争の歴史上の人物で、 1709年のポルタヴァの戦いでザクセン人の侵攻を受け、王位を失います。
1733年に王位を回復しましたが、1736年に再び廃位され、フランスに亡命しました。
このオペラは、スタニスワフがフランスから王位回復のために帰国する時にベルフィオーレ騎士をフランスで自分の身代わりに立て、ポーランドに戻るまでの1733年が舞台です。
ちなみにスタニスワフ王は登場しません。
2組の結婚パーティがあげられる予定。
1組は男爵の娘ジュリエッタと、町の財務官のラ・ロッカ氏。
もう1組の結婚は、男爵の姪であるポッジョ侯爵夫人とよそから来る伯爵です。
しかし、実はジュリエッタは財務官の甥エドアルドとポッジョ夫人はベルフィオーレと愛し合っています。
男爵と、婿になる財務官は喜び合っています。
「やあ、婿どの、よろしくね!」
そこへ、ポーランド国王が到着したと告げられます。
ポーランド王(ベルフィオーレ)は、今日の結婚パーティーにお客様として呼ばれています。
やってきたベルフィオーレは、男爵に
「今日は誰と誰が結婚するのかな?」
と尋ねたところ、私の娘とこの財務官、ポッジョ夫人と…、とこの名を聞いて驚くベルフィオーレ。
ベルフィオーレは1人になり、ポーランドにそろそろ着くであろうという本物の国王・スタニスラオに急いで手紙を書きます。
「親愛なる王よ、私の役目を解いてください、でないと私は恋人を失ってしまいます!」
そこへ、エドアルドが登場します。
彼は彼で財務官の甥なんですけれども、ジュリエッタと相思相愛なのに、伯父にそのジュリエッタを取られてしまうので、
エドアルド、絶望して、
ニセ王に
「僕をポーランドに連れて行ってください」
と願います。
彼らが去ったところへ、ポッジョ夫人が入ってきます。
彼女はにせの国王を見て、あれはどうやら、ベルフィオーレじゃないかと見破ったようです。ところが以前ベルフィオーレは王から密命を受けたので、突然彼女の前から姿を消しました。
「裏切られた」と思い、伯爵との結婚を進めてベルフィオーレがどう出るか、試すことにします。
第1幕 屋敷の庭。
ジュリエッタが悲しそうにしています。
そこへ男爵と財務官が来て、沈んでいるジュリエッタに声をかけます。ほどなくそこに、にせ王ベルフィオーレがエドアルドを連れて登場します。にせ王は、男爵と財務官に
「君たち、こっちでちょっと、政治的軍事的な話をしよう、その間エドアルド、お前はこちらのお嬢さんのお相手をしていなさい」
若い二人を二人きりにしてやろうという配慮です。
仲が良さそうな二人を見て、財務官は気が気でありません。かといって、国王の話をさえぎるわけにはいかない。
「あいつら近すぎる!離れろ!」
「おやおや財務官、君、話に集中していないね」
「いえいえ、そのようなことは」
こうやって話しているところへポッジョ夫人がやってきます。
焦るベルフィオーレ。男爵たちはベルフィオーレを、こちらポーランド王です、と紹介します。
ポッジョ夫人は、その正体に気づきつつも、空気を読んでその場では型どおり挨拶します。
にせ王と男爵、財務官は別の場所へ。若いカップル2人が侯爵夫人に助けを求めます。
ポッジョ夫人は若い二人に協力することを約束します。
にせ王ベルフィオーレは、財務官に、
「君はやっぱりとても優秀だから、ジュリエッタとの結婚をやめてくれれば、ポーランド王女と結婚させて、君を大臣にしてあげよう」
財務官はまんまと喜び、承諾します。
にせ王がいったんその場を去ったところへ、男爵が登場します。
財務官は、
「ポーランド王から大臣の位と王女とのご縁談をいただいたので、この婚約は破棄します」
と言うので当然男爵は激怒。
「ふざけるな!貴様!決闘だ!」
暴れる男爵、うろたえる財務官。みんなが駆けよってきます。
ジュリエッタは喜びます。ポッジョ夫人も、
「それだったら、この若い男エドアルドと結婚させちゃえば?」
と言いますが、男爵は
「いや、だめだ!」とまた暴れています。
そこへにせ王が現れて、その場をとりなします。みんながにせ王に何とかしてください、と口々に願うフィナーレとなって、第1幕終了です。
第2幕。
屋敷では、召使いたちが、どうやら今夜の結婚式はなくなるんじゃないかと噂しています。
そこへエドアルドが現れ、
一筋の希望が見えている、と歌います。
一方、にせ王ベルフィオーレはジュリエッタに、「父親である男爵がなぜエドアルドとの結婚に反対するのか、」と聞くと、彼女は「男爵が貧しいのでエドアルドは金が無いから」と言います。
そこで偽王、財務官に
「君の財産とお城の、たくさんあるうちの一つを、君の甥であるエドアルドに譲りなさい」
と命令します。
財務官1人になったところへ、また男爵がやって来ます。
まだ怒っているようです。いろいろ言い争った挙句、決闘になりかけて、逃げる財務官、追う男爵。
さてポッジョ夫人、偽王に
「私を捨てて去っていった、とある騎士を私は許しません」
「(彼女、俺がベルフィオーレだって、気づいてるよな)いやいや、その騎士を許してやったらどうかね」
お互い、相手がどうやらとぼけているようだと悟りながらも、腹を探り合っています。
そこへ男爵が、「ポッジョ夫のお相手の伯爵が間もなく到着する。」と告げます。
夫人はベルフィオーレへの当てつけに、予定通り結婚する素振りを見せます。
にせ王ベルフィオーレは、
「あの、例の騎士のことは、どうするんだね?」
「私をその騎士が愛しているなら、ここに現れて止めるでしょうけどね」
困ったベルフィオーレ。
「(どうすりゃいいんだ!任務は破れない!)」
一方、エドアルドとの結婚が上手くいきそうで嬉しそうなジュリエッタ。そこへエドアルドが駆け込んできて、「そろそろ出発するポーランド王に、ついていかなくてはならない。」と告げます。
驚くジュリエッタ。
「私も一緒に行くわ、王にお願いする!」と宣言して、にせ王のもとに2人で向かいます。
一方ポッジョ夫人は
「1時間以内にベルフィオーレがここに現れなければ、この伯爵と結婚します」と宣言します。
ベルフィオーレは、いよいよ焦ります。が、そこへ、本物のポーランド王から手紙が届き、
「自分は無事にポーランドのワルシャワに到着した、ベルフィオーレ、お前の役目を解いてあげよう」
との知らせが来ました。
ようやくにせ王は、自分を騎士ベルフィオーレだと名乗り、喜ぶポッジョ夫人。
それを聞いて、男爵や財務官はだまされた!とようやく騙されたと気づきますが時すでに遅し。
ポッジョ夫人とベルフィオーレ、エドアルドとジュリエッタの2組の結婚が成立し、みんなに祝福されたのでした。
長く忘れられていましたが、最近は何度か再演されています。
序曲「1日だけの王様」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます