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歌の翼に

2008-10-22 00:58:10 | ロマン派

 「歌の翼に」は、ドイツロマン派の作曲家メンデルスゾーンによる1836年作曲の歌曲集「六つの歌」作品34の第2曲です。
シュテックメストがフルートで「歌の翼に幻想曲」を書いていて、フルートの定番曲のようによく演奏されています。
メンデルスゾーンもハイネもドイツ生まれのユダヤ人です。メンデルスゾーンは幼い頃から天才的な能力を発揮して、長じてからは、ドイツ音楽界の重鎮として君臨していましたが、それでも差別的な扱いに悩んでいたらしいです。38歳でクモ膜下出血でなくなりました。ハイネは、3月革命の影響でドイツからフランスのパリへ移住しましたが、資金援助を受けなくては生活できませんでした。

ガンジス川のほとりの楽園を夢見るハイネの詩に共感したのは、メンデルスゾーンも異邦人としてドイツに生きていたからかもしれません。なくなって3年後には、ワーグナーが「音楽におけるユダヤ性」と言う論文を書いて、音楽性を否定していたり、一方で銅像を建造されたり、また、数年後にはナチスによって禁止され、その後回復するなど、評価や音楽的地位が上がったり下がったり。
ユダヤ人は、子どもが生まれると、学術や芸術の世界で力を発揮するように教育されるそうです。それもこの不安定な位置から来るもののように思われます。

「歌の翼に」ハイネ詩・久野静夫訳詞・J.L.F.メンデルスゾーン作曲

1.
歌の翼(つばさ)に あこがれ乗せて
思いしのぶ ガンジス
はるかの かなた
うるわし花園に 月は照りはえ
夜の女神(めがみ)は 君をいざなう
夜の女神は 君をいざなう

2.
すみれの花は ささやく 星に
ばらは ほほえみて
ほのかに 香る
うるわしの花園に 鳥はたわむれ
夜の女神は 君をいざなう
夜の女神は 君をいざなう

3.
今宵(こよい)も憩(いこ)わん 椰子(やし)の葉陰
ともに語りて 楽し夢見ん
楽し夢見ん 楽し夢



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