音楽の喜び フルートとともに

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大反魂草

2023-06-17 21:00:00 | ロマン派
いずみホールのそばに咲いていたエキナセア。


こちらもエキナセアの1種。こういう形の花は強い気がします。



ルドベキアは、近所の空き地に大繁殖していました。
そしてやっぱり特定外来生物。
ロゼットという花の形だそうです。

大反魂草(オオハンゴンソウ)属ってすごい名前!

反魂草

は、ノボロギク属
葉の様子が名前は死者を手招きしているように見えるから

瀕死の病人に薬草として飲ませると回復した。

中国で死者を蘇らせる花と混同されたとか。
コレラの死の原因となる下痢止めの効果があったからだと言われています。

が、大反魂草とはべつの植物なので注意して下さい。食べられません。
そして、栽培は禁止されています。

日本では西行法師が反魂の術を行なったとか。

北面の武士を辞め、修行中のこと。
高野山の修行の中で死者を蘇らせる方法、反魂の術のやり方を知ります。

亡くした親友を蘇らせたくなりこの術を行いました。

人骨集め、頭の先から足の先まで順序通りに並べます。並べた骨にヒ素を塗り、いちご


とはこべ

の葉を揉み合わせて藤の蔦で骨を繋ぎ合わせ、水洗いします。
髪がはえるところには、四海子(サイカチ)


とムクゲ


の葉を灰で焼いたものをつけます。土の上に畳を敷き、その上に骨一式を伏せておきます。風が通らないところに置き、27日間経過したところで香木を炊きます。

さて、そこに現れたのは人の形はしていながらも、肌の色は土気色をし、金切り声を発する心のない化け物だったそうです。
怪物を見て、西行はその場に怪物を残して逃げ出してしまいました。

西行は失敗した原因を源師仲に聞きに行きます。師仲の曾祖父が同じ方法で人造人間を作り出し、しかもまだ働いているというのです。

香木ではなく、沈と乳を炊く、術を行う間7日間の断食をする。など、正しい反魂術を学びましたが、二度と行ないませんでした。
(撰集抄第15話「西行於高野奥造人事」より)

西洋で言うと、復活。
ヘクトール ベルリオーズ(1803ー1869年)フランス共和国ラ コート サンタンドレ生まれ、フランス帝国パリ没


は開業医の父の元に6人兄弟の長男として生まれます。
6歳で神学校に入学するも、閉鎖されてしまい、父の手によって18歳になるまで教育されました。

14歳のベルリオーズは、父の机の引き出しからフラジオレット

1800年代のフラジオレット
を見つけ、吹く練習をしました。
フルートを間もなく買い与えられ、15歳になってからはギターも習い始めています。

作曲は独学で始め18歳の時にグルノーブルで行われたバカロレアに合格し、パリ医科大学に入学します。
しかし、解剖学を学んでいるうちに医学が嫌になり、音楽へ興味を示します。

オペラ座に通い、1822年父の反対を振り切って、医学部を辞め、音楽を学び始めました。
1823年になり、バリ音楽院に入学しました。
1824年「荘厳ミサ曲」を作曲しています。


ベルリオーズ本人によって価値がないものとして、レスルレクシト以外は破棄されたと考えられていましたが、1991年にベルギーのアントウェルベンの聖カルロスボロネウス教会でフランス モールスによって発見されました。

1825年パリのサンロッシュ教会でパリオペラ座のアンリ ヴァレンティノにより初演されました。これはベルリオーズにとって最初の成功でした。1827年サン トゥスターシュ教会で再演されましたが、この時はベルリオーズが指揮しました。

キリエ 主よ憐れみ給え
グローリア 栄光あれ
グラーティアス 感謝します
クオニアム あなただけが聖なる
クレド 我は信ず
インカルナトゥス 受肉
クルチフィククス 十字架
レクルレクシト 主は蘇り
奉納のモテト 葬儀
サンクトゥス 聖なるかな
オー サルターリス おお、救いの生贄で
アニュス・デイ 神の子羊
ドミネ サルヴム 主よ お守り下さい

まさに、蘇った反魂の曲。
ベルリオーズの荘厳ミサ曲。





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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
 (takan32)
2023-06-17 20:31:22
久米さんヘ、私のブログにいいね!をありがとうございます。
特定外来生物に指定されている植物はいくつか大々的に勢力拡大中で、各地が困った問題を引き起こしていますね。池の中で在来種がいなくなったりしています。
私の近くの川岸の緑地でも、外来植物が勢力拡大中です。
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Unknown (m-fluteangel16)
2023-06-18 05:25:08
@takan32 さん、こちらこそいつもありがとうございます。
特定外来生物…指定の意味があるのか?と考えてしまいます。
世界中で起きていて、もう滅多なことでは止まりません。
グローバル化、気候変動、環境汚染、大きな変化の中で起きていることなので、多様性を保ちつつバランスを探していくようなところに来ているんじゃないかと…やはり自然はコントロール不能じゃないかと…。
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いいですね (takobouzhirose)
2023-06-30 00:41:00
マウスでfluteangel16さんがアップされた動画のタイムラインをクリックしながらところどころ聴きました。

動画の14分8秒あたりから出てくる幸福感の漂う旋律は ベルリオーズ幻想交響曲第三楽章の冒頭近くで提示されるモチーフに酷似しているというかほぼ同じですね。

一度は破棄してしまった曲でもちゃんと旋律はベルリオーズの心に残っていて あとあと傑作交響曲となって復活したのだと思います。

そう思うと なんとなく しみじみとした気持ちになります。

紹介された動画のおかげで思わぬ発見ができてよかったです。

こういう発見って自己満足の世界ではありますが意外とうれしいものです。

ありがとうございました。
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Unknown (m-fluteangel16)
2023-06-30 23:45:00
@takobouzhirose さん、聴いて頂いてありがとうございます。
若き日のベルリオーズの荘厳ミサ曲。
一度は捨ててしまったものの
いつか世に出したかったのかもしれませんね。
失われてしまわずに良かった!
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