セラフィーヌどこかで聞いたような、そうフランス、素朴派の女性画家セラフィーヌ・ルイ(1864~1942年)その人だ。
彼女の半生を描いた映画「セラフィーヌの庭」。
セラフィーヌを演じるのは、決して美人ではない小太りのヨランドモロー。
純粋で自然を愛し、キリスト教に帰依するちょっと変わった女性を見事に演じている。
家政婦をして細々と生きていたセラフィーヌ。彼女は、自然が大好き、そっと、彼女独特の絵を描いていた。
彼女が家政婦をしていた相手が、有名な画商だった。
彼に絵の才能を見つけられ、徐々に絵が売れ出す。
だが、世の中の変化が、画商を苦しめ、と同時にセラフィーヌにも生活の変化が。
有頂天からどん底へ。
でもその間も、ずっと絵への関心は失わず描きつづける。
彼女の純真な姿と、挿入される不思議な美しさを持つ絵画が、映画の魅力を作る。
しかし、終生独身で通した彼女の生涯は、自然と神と絵画という絶好の伴侶で幸せだったのだろう。
映画のラストは美しい。