丁度終戦記念日にあたる8月15日に第一回が放映されるというのも、ある意識が働いたのか。
五味川純平の渾身の力作の映画化だ。
それをまた、力量のある小林正樹が監督した。
6部作、3年がかりで制作されたという。
戦争物語だ。戦争を知らない若い人たちに是非見てほしいものだ。
なぜなら、この作品は、実際に戦地での体験をした人たちによって作られているからだ。
それも、日本側からだけでなく、中国側からも描いている。
当時の状況から、中国人は、日本人が演じている。それも力量ある俳優がだ。
若干、たどたどしい中国語だが、私たちは日本語訳で見るから祖語はない。
で、山田洋次がこの作品を取り上げたのは、家族映画としてだ。
相思相愛の男女が、戦争を前にしての苦悩、
そして、中国の軍需産業下での苦労。
その状況は、一面現在のサラリーマン生活にも通じる。
会社人間に、強引に仕立てあげられる第1部。
そこでは、仕事人間の夫婦の葛藤が実に見事に描かれている。
仲代達也と新珠三千代の絶妙のコンビが初々しい夫婦を演じている。
第6部まで、連日放映される。見る方も大変だが、見ごたえがある。