ひろの映画見たまま

映画にワクワク

新藤兼人の映画「一枚のはがき」を観る

2011-08-20 15:57:43 | 日本映画

99歳の監督、新藤兼人。

それにしても、エネルギーは衰えていない。

もうこれを最後とするそうだが。

で、みずからの体験から、上官のくじで決められた生死の境。

ベッドを上下にした親友に訪れた妻からの一枚のはがき。

そのはがきが、またもや人生を紡ぎだす。運命のいたずら。

手紙を出した妻は、夫を戦死で亡くし、その弟と結婚するも、弟も出世、死亡。

残された、父と母は相次いで死んだ不幸。

一方、生き残って帰った男の妻は、父とできて街へ出て行っていた。

不幸な二人を結びつけた一枚のはがき。

二人のやりとりなど、綿密な新藤話術でひっぱっていく。

妻にすり寄る団長の姿は、村社会の象徴でもあり、喜劇的だ。

そしてラスト、「裸の島」をおもいださせる、両天秤の水運び。

新藤の原点は、ここにあった。

 

 

 

 

コメント (1)
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