ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「この世界の片隅に」、太平洋戦争末期、呉・広島で暮らした一人の若主婦の物語!

2016-11-26 19:31:36 | 日本映画
おすすめ度 ☆☆☆☆

みんなに見てもらいたい ☆☆☆☆☆

第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代の同名コミックのアニメ化。

冒頭、突然に08年とくるから、えっ。いつのこと?

8歳の少女が海苔を届けにヒロシマへ。そこで、なんと後に夫となる男と出会っている。

そして19年。やっと昭和だと気づく。

少女すずが、呉へ嫁入る。

そこには、夫とその父母、出戻りの姉。その娘がいる。

呉は海軍基地。それからは米軍の空襲で焼け野原となる。すずの家は高台にあるので、消失は免れる。

そして、20年、ヒロシマには原爆が落とされ、終戦。

広島の父母、兄は死亡。すず自身も爆弾で片腕を亡くす。

こんな、背景のすずの物語。

アニメで描かれる世界は、背景などを含めて、細やかな表現。

どこにもぶつけようのない悲しみだが、ラスト、その後、すずは夫と普通の夫婦生活を送っていくだろうと思わせる。

敗戦前後の呉と広島。最も象徴的な町だ。

昔の恋人の話、遊郭で迷子になる話。爆撃でたおれ、姪を死なせる話。そして原爆の後の広島。

70年前の現実が、これが日本なのだ。

なぜか涙がこぼれる。

コトリンゴの音楽。片渕須直の演出。能年玲奈改めのん、すべてのこの映画に携わった人々の想いが伝わってくる。

味わい深い映画だ。



コメント
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