ひろの映画見たまま

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「鉄くず拾いの物語」、ボスニア=ヘルツェゴヴィナで起きた、手術拒否事件

2014-02-05 19:03:23 | 映画
おススメ度 ☆☆☆

 社会的映画の好きな方 ☆☆☆☆

ボスニア=ヘルツェゴヴィナで、実際に起きた病院での手術拒否事件。これを、当事者に改めて演じてもらった、ドキュメンタリー再現映画とでもいおうか。

ボスニア=ヘルツェゴヴィナは、紛争でも有名だが、その一寒村での話。映画では、ロマの家族としか紹介しないので背景がよくつかめないが、少数民族で、差別を受けているらしい。

病院が、拒否したのは、保険証を持っていない(これは貧しくて保険料が払えないためだが)ことと、代わりの手術代500ユーロが払えないためだが、根底には、鉄くず拾いぐらいしか仕事がない差別があるからなのだ。

分割払いをするといっても、院長がダメだと言っているの一点張りの非情な病院。(日本でもたらいまわしの病院が問題になったことがあるが)。これも差別ゆえなのか?

それにしても、山に入ってまき割りをして燃料を作る原始的方法。洗濯はたらいでごしごし手洗いだ。

一応、電気は通っているが、テレビを見たり、灯りをともしたり。

主人公は夫婦と幼い女の子二人。

妻が妊娠するが、体内で流産し、手術しないと母体が危ないという話。

行政にも相談に行くがここも、けんもほろろ、ボスニアはこんなにつれない国なのか。

病院は都会にあるので、車で出かけるが、途中見かける火力発電所は立派なものだ。紛争が終わって、都市部は復興したということか。

病院での待合での子供たちの無邪気なこと、何も知らず二人で仲良く遊んでいる。

最後は苦肉の策で、乗り切るがそれにしても、貧しさから逃れられるわけではない。

主人公は、怒りを心に収め、黙々と自分の環境に従っていく。その姿が神々しい。

カンヌで審査員特別賞と男優賞を得たのもうなずける。

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