人生日訓(75)
「おのれの拙によりて人の能を忌むこと勿れ」
十人十色というが、この世間人間ほど模様のとりどりのものはあるまい。字の上手
な人、絵のうまい人、話の上手な人、手紙を上手に書く人、世の中にはまさに蘭菊美
を競っているといえる。そこで、字の上手な人は字の話が好きである。「好きこそ物の
上手なれ」なのであろうが、字の下手な人間、私のような者には、どうもその字の話
というものは苦手である。字が下手であるし、てんで字の事は分からないのだから、
字の話に聞き入るかというと、どうも気が進まない。内心、実は字の上手な人をねた
み、そねみ、忌み嫌っているらしい。菜根談の編集者は、なかなか、意地が悪く、「お
のれの拙によりて人の能を忌むこと勿れ」とずばりと私の胸に一本打ち込んでい
る。
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11月に咲いている花「大弁慶草(おおべんけいそう)」
開花時期は、 8/15 ~ 11/20頃。 ・葉は楕円形で肉質。 ・切り取って数日おいても枯れないほど 強いことを、弁慶にたとえた。 「弁慶」→ 鎌倉時代初期の法師。 源義経の忠臣として活躍。 平泉の衣川で”立往生”。 ・ふつうの弁慶草と似ているが、 大弁慶草の方が花の色がやや濃く、 こちらの方がよく知られている。 ・別名 「活草」(いきぐさ)。
(季節の花300より)