記憶の彼方へ

カラーとモノクロの写真と一緒に 日頃のなにげないエピソードやホッとするコトバを♪

モンパルナスのホテル vol.6 最終話

2023年09月30日 16時07分47秒 | Paris

 

とうとう、パリ最終日が来てしまった

前日に、頑張ってスーツケースの整理を半分以上済ませておいたので、部屋はだいぶスッキリ

でも、その整然とした部屋が、より一層切なさを倍増させる

歯を磨きながら、カーテンを開けると、曇り空

窓を開けるといつもと違ってひんやり。暑くないので、足も軽やかになりそうな予感

 

マレ地区にあるジャム屋さんと10:00にアポイントがあるが、それまでゆっくりすることにした

 

出かける前に、ホテルから空港までの帰りのタクシーを予約しておかないといけない。

8:00にフロントに行くと、いつものおじさまがいた

 

初めに、先日の朝ごはんのお礼に、地元のお菓子を渡した

 

c'est gentil

 

と言って、お菓子を胸の辺りに持っていく仕草をし、喜んでくれた

 

続けて17:30に、タクシーの予約をお願いして、チェックアウトの時間をたずねた。CDG出発時刻は22時
チェックアウトは12:00までだったので、それまでには帰ってきますと伝えると、「全然大丈夫だよ!」と言い、「ところで朝ごはんはどうした?」と、おじさま。

まだ食べていない事を伝えると、再び下のダイニングに案内してくれた。そして「僕からのプレゼントだよ」と言って

正直、最後の日に、しあわせな朝ごはんが戴けることに感謝感激

前回はバスの集合時間があったので、ろくに食べずにホテルを出てきてしまったから

せっかくなので、3種類のパンもいただきました。コーヒーはおかわりまでさせてもらって、のんびり優雅な朝食となりました

12時にはホテルに戻ってこなければならなかったが、メトロ降りて地上に出たら、土砂降り。折りたたみ傘は持ってきていたけれど、スーツケースの中
突然の雨に、パリジャンたちも雨宿りをしている。

私も一旦は軒下で雨宿りをしたけれど、12時をすでに回っていたので、意を決して雨の中を小走りでホテルを目指した

フロントのおじさまからルームキーを受け取ると、部屋に直行し、スーツケースに鍵をかけ、フロントに舞い戻った。

帰りのタクシーが来るまで、スーツケースを預かってもらう。
予定では、ミラマのエビワンタンをランチにいただきたかったが、この雨

そこで、この界隈、なぜかクレープ屋さんがたくさんあったっけ。せっかくなので入ってみることに。フロントのおじさまにおすすめのお店を尋ねると、「どこも同じだよ!でも、元のホテルの横のお店がいいよ!」と教えてくれた。

そちらを訪ねると、右隣にパリジャン夫婦。私の横にご主人が座っていた。
夫婦はちょうどランチを食べ終え、デザートのガレットを注文中。

私が注文したガレットが届くと、『いただきま〜す!』と右隣から小さい声

びっくりして、目をまん丸にして真横を見ると、ご主人が笑っていた

「日本語話せるんですか?」と尋ねると、『ほんの少しだけ!』

日本にいたことがあるらしい。

デザートをお二人で平らげ、帰り際には『さようなら〜』と手を振って店を出て行った。

実は、このガレット屋さんのコーヒーカップに一目惚れ!
お会計の時に、ギャルソンに、「とっても可愛いカップなので、ひとつ買うことはできますか?」と尋ねた。

予想外の質問に、ギャルソンは「俺にはわかんないよ!」とうジェスチャーをしたが、「奥で聞いてくるから待ってて!」
と言って厨房に戻っていった。

戻ってくると、『3!』
と指で示すので、「Oui!」と言って交渉成立

キッチンペーパーに包まれたカップを受け取りました。

自分に、これといったお土産を買うことができなかったので、素敵な思い出が詰まったカップを3€で手に入れることができました

このカップを見れば、お店を薦めてくれたフロントのおじさま、日本語を少し話せるご主人、お店のギャルソンと、一度に思い出すことができる。そして雨のパリも

ちょっとしたタイムマシンだ


タクシーが迎えにくる40分ほど前にホテルに戻ると、荷物の最終チェック。
いつも誰かしら座っていたロビーのふかふかソファーは、誰もいなかったので独り占め

その時、携帯の充電が切れそうなことに気づいた
携帯につなげた充電コードを、フロントのおじさまに見せると、「貸してごらん」と言って、フロントの下にあるコンセントに繋いでくれた

タクシーが来るまでの間、おじさまとたわいのないおしゃべり。
仕事の話や、以前の仕事などなど。

おじさまはホテルの仕事以外に、音楽を友人と一緒にやっているとのこと。趣味ではなく本格的に!

ただ、聞いたことのない楽器の名前、ウードだった。
後日、facebookから、その音色を聞くことができたが、異国情緒あふれるメロディーでした。

タクシーが到着し、重いスーツケースを運び出すと、おじさまが笑顔で「Bon Voyage!」と言って見送ってくれた

名残惜しいけれど、それはまた次回のお楽しみに取っておかないと

 

 


米屋は羊羹が有名ですが、イチオシはこれ!
 

家ではオレンジジュースまで出てこないけれど、旅先では必ず飲みたくなります
おかげさまでお腹いっぱいになりました
 
 

左上のカップです。このシンプルさがパリらしい
この写真を見ると、「いただきま〜す」が聞こえてきます
蕎麦粉のガレット。ほうれん草、チーズ、サーモン入り

スーツケース2つが待機中

ロビーからのこの階段を降りると朝食ダイニングです


 


 

コメント (2)
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