パリに住んでいると思われる日本人は少々くせ者が多い。
街を歩いていて向かいから明らかに日本人とわかるとき、笑顔を向けようとするが、目が合うやいなや、そっぽを向かれる。えっ???なんで?!
すごく感じ悪い。別に話かけるわけじゃないし、同郷のよしみの挨拶を交わすだけなのに。
さびしいねぇ!
私も個人主義なパリが大好きだけど、そこまで徹底しなくても。
だから淋しい思いを引きずらないように私も相手が気付く前に目を合わせないようになった。あらぬ方向を向き続けるのだ!!
馬鹿みたいだけどね。
三日目のお昼は大好きなファラフェルをマレ地区へ食べに行った。いつもテイクアウトにして近くの公園で友人と食べるが、今回初めてレストランの中で食べることにした。隣り合わせには日本人の女性二人が座っていた。テーブルがくっつきそうな感じだから、つんっと澄ましてるのもつまらないので思わず話かけた。Sさんはリヨンでパティシエとして来月から働くとのこと。Dさんは以前同僚だったSさんに会いに来て一緒に観光を楽しんでいるとのことだった。パリのおいしい和食の店うさぎ、ラーメンやの北海道さん、お互いの情報を交換した。レストランの中で思いっきり日本語が飛び交う中、ファラフェルスペシャルが来た。
量がテイクアウトの倍はある。しかもお皿に具だけ盛られている。包むパンは別に小皿に2枚はいっている。手巻き寿司みたいに自分で作るのだ。初めは面白くてパンに具を入れながらぱくついたが、さすがに半分ほど食べるとパンに飽きてきた。
具のソースがちょっぴりビネガーが効いているので具だけを食べた。ひよこ豆のコロッケも完食。さすがにお腹が膨れあがった。レストランを出てふたりと別れた後、苦しいお腹を抱えて、姉に頼まれている紅茶の店、マリアージュフレールへ。
マルコポーロを缶で欲しいという注文だ。100グラム入りを二個。
早速お店に入り缶を探した。デザインの異なる缶がいっぱいある。缶には11ユーロと札がついている。缶だけで11ユーロ!?
高い缶だ。まあ紅茶の老舗だし仕方ないかあと思い、マルコポーロ200グラムをまず注文。真っ白なスーツを着たイケメン店員は笑顔で茶葉をすくいパックに詰めた。詰め終わった頃を見計らい、今度は缶を二つちょうだいとお願いした。このときdeux boites s'il vous plait !と言ったつもりが、"deux cents boites"と言っていた。はじめにdeux cents grammes S.V.Pと言ったからだ。
これは200個の缶を下さいと言っているのだ。さすがにイケメン店員もバカウケしていた。慌ててnon non,deux boites S.V.P!と言い直した。
Ah d'accord!
と笑いをこらえながら答えた店員は隣にいる同僚にもdeux cents boites!!と話しうけまくっていた。
なんとか頼まれたお土産は手に入れる事が出来た。これで安心して帰国できる。実はこの紅茶やさん、銀座三越にある。パリでわざわざ買わなくてもと思ったが、やはりパリのほうが安かった。100グラム1600円ほど。銀座だと2500円。
旅の恥は掻き捨てである
紅茶屋さん(日本茶も人気のようです)
fine ART photographer Masumi