Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

別誂え(フルオーダー)訪問着、地色が染め上がりました!!

2012-06-21 23:35:31 | 着物
昨日、黄色い訪問着の別誂えをお願いしている「公庄工房」さんから、
地色が染め上がったというご連絡があり、写真をお送り頂きました


おくみ~上前~左後の3パーツの写真です。
おくみと上前の部分にはカバーがかかっているので分かりづらいのですが、
左後ろの部分で地色がよく分かります

実物とモニターで見るのでは色は違うと思いますが、かなりイメージ通りの
色に近くなっていると思います。また、地色を染めたことで、地模様の七宝
が浮かび上がってきて、高級感のある雰囲気になってきました

柄伏せをしていた糊が落とされたので、下絵の模様がよく見えていますね。
ここにどんな色で友禅がされていくのかとっても楽しみです

この位の濃さの地色なら、黒い帯でキリっと引き締めるのも良いですねぇ
少し華やかな感じにしたい時は鶸色とか、落ち着かせたいときは白系で。
これから柄に挿されていく色によって、伊達衿や帯揚げ帯締めなどの小物
も決まってくるので、次に届く写真が待ち遠しいです。

出来上がりは8月末ということで、あと2ヶ月間、待つ楽しみが続きます

この訪問着の製作を請け負ってくださった「公庄工房」さんについては、
以前のブログで掲載していますので、そのままの転載でご紹介します

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昨年から私が訪問着の別誂えをお願いしているのは、こちらの工房です。
今までは許可を頂いていなかったので名前を掲載していませんでしたが、
先日京都に行ってお話をして許可を頂いたので、ご紹介させて頂きます

「公庄工房(ぐじょうこうぼう)」さん
http://www.yuuzen.jp/

今までの職人悉皆仲間問屋前売り問屋小売店顧客という、
驚くほどに多くの中間業者を通して行われてきた古い慣習的流通を見直し、
職人顧客というダイレクトな流通にする事により、中間マージンを抑え、
着物をより身近なものにするとともに、職人さんの生活も支えていくという、
まったく新しい手法を取り入れられた工房です

過去数十年、欧米文化や洋服が入ってきたという背景はあったものの、
着物の値段が上がっていったことも一因となり、民族衣装にも関わらず、
自分で着物を着られる人がほんの一握りとなるほどの着物離れが起き、
それにより仕事を失った職人さん達は、次々と廃業に追い込まれました

そんな中で問屋さんが打った手は、安価な「プリント着物」の量産でした。
最近の安い着物の多くは、インクジェットプリントで作られているのです。

これによりなんとか残っていた職人さん達も更に仕事がなくなってしまい、
このままでは後継者も育たず、数十年後には数えるほどになるでしょう。
そんな状況に異を唱え、新しい風を吹き込もうと頑張っていらっしゃいます

私は百貨店での別誂え経験もありますが、それと比べてもかなり質の高い、
そしてセンスも良い、素晴らしい着物を作っていただけます

気になる事にはとことん答えて下さいますし、密にコミュニケーションを取り、
アドバイスもして下さり、安心して製作をお任せする事ができる工房です。
業界内でも質が高いとされる染匠さんの仕事を任されている職人さんで、
その腕は確かです

何でもそうですが、モノは業者を通せば通すほどマージンで値段が上がり、
最終的に顧客に渡るときには数倍の値段になることもしばしばあります

流通を変える事で、顧客は質の良いものをコストを抑えて買うことができ、
職人さんは「プリント着物」に奪われてしまった仕事を取り戻すことができ、
着物業界は大切な伝統技術を継承し守っていくことができます。

昨年秋に作った流水花筏文の単衣の訪問着も、こちらでお願いしたもの。
現在私が別誂えをお願いしてる訪問着も、百貨店を通せば150万以上の
値段になるものだとおっしゃっていました。

私のような庶民が数百万単位の着物をちょくちょく作ることはできませんが
こちらの工房でお願いできるくらいの予算であれば、毎年でも可能です。
(そこは夫の理解があるので、ありがたいと思っています。ありがとう

きちんと予算に合わせて、その範囲内で最大限の努力をしてくださいます。
百貨店では最初に伝えた予算から十万以上あがることもしばしばですが、
こちらではそんなことはありません。

それでも洋服と比べると数十万という価格は大きく感じるかもしれませんが、
着物は洋服と違い数十年単位で着られますし、子供に譲ることも出来ます。
私は着物が大好きなので、「プリント着物」は苦手ですし(持っていますが)、
私の子供の世代まで、手描きの着物が残っていって欲しいと願っています

私は公庄工房さんの考えに全面的に共感し、その新しく素晴らしい活動を、
今後も着物をお願いする事で、出来る限り応援していきたいと思っています。
小紋以外は、今後こちらに一任するつもりでいます。

店頭に置いてある在庫の中から選ぶことが普通になっている現代ですが、
昔は多くの着物が別誂えでした。好きな柄を好きな色で好きな生地に。
そんな楽しい着物が出来上がったら、本当に大切に出来るものです。

もし別誂えに興味はあるけれども躊躇しているという方がいらっしゃったら、
是非一度、お問い合わせだけでもしてみてください。
きっと誠実にお答え頂けます